技術コンサルにとっての専門性とは (2) | 技術コンサルティング研究会 BLOG

技術コンサルにとっての専門性とは (2)

チャックのエージです。

風邪を引き、月一回しかない勉強会を欠席してしまいました。くやしいです!!



さて、クライアントの視点からの専門性ということです。


1. 技術問題の解法に困っている。

中小企業などは、自社の技術に自信を持っており技術問題の解法に困ることはあまりないかもしれません。もしこのような依頼が来たとき、技術コンサル自身の力で解決するのは難しいと思われます。なぜなら、こうした技術的問題は細分化されており、解決には深い専門性が必要とされる場合が多いからです。

自分の専門性とクライアントの抱える課題がぴったりマッチする例は少ないでしょう。

このような場合は、問題点の推測にとどめ、同様の技術研究を行っている大学の教授とのマッチングを仲介するということも技術コンサルの業務の一環かと思います。

技術問題の解法に困っているクライアントが一番多く抱える課題は、マスプロダクションであるような気がします。すなわち、「独自の技術を駆使して商品のプロトタイプを作成したが、量産化を開始したとたん、従来のパフォーマンスを発揮できなくなった」といった問題は、中小の企業でよく聞く話です。

技術コンサルは、クライアント企業の規模を考慮し、外注するか、生産ラインを修正するか判断しなければなりません。

このようなマスプロダクションで起こる問題は、どのクライアントでも共通する場合が多いため、細分化された技術課題とは異なり、大量生産のノウハウを心得た技術コンサルなら十分解決できると思われ、他のプロジェクトで得た知識を発揮しやすいことでしょう。



2. 技術の使い途に困っている。

「いいものができたけれど、何に使って良いかわからない。」じゃー つくるなよーー。などとは言わずにどうしたらよいでしょうか。「本来の目的とは異なる副産物も何かに使えそうだぞ」ということはよくあり、全く想像もつかない分野において全く想像もつかない使い方をして大ヒット。プロジェクトX級の商品が生まれることもあります。

この場合は、技術コンサルには様々な分野の知識が必要とされます。しかし、前述した「全く想像もつかない分野」に使えるものだったらどうしましょう。想像がつきません。

ということで、技術コンサルとしてはまず、権利(特許)を押さえることをお勧めし、権利化した後、特許流通データベース(http://www.ryutu.inpit.go.jp/PDDB/Service/PDDBService)等を用いできるだけ公開し、必要としている機関からのアクセスを待つのも一案かと思います。受動的ではありますが。。。

自分の専門とは別に、技術シーズを生かせるようなノウハウを専門知識として獲得しておきたいですね。





まとめますと、
1(技術問題の解法に困っている) の場合は、深い専門性が必要とされており、必ずしも個々の技術コンサルで対応できるとは限らない。そこで、専門性を補うような人脈を必要とする。また、マスプロダクションに関する知識、経験は様々なプロジェクトで必要となると想定される。

2(技術の使い途に困っている)の場合は、広い専門性が必要とされており、技術コンサルの人脈を生かして技術シーズを有効利用できる先を探しつつ、公開して必要としている機関からのアクセスを待つ。必要な専門知識は、特許流通(?)


あー。あまり専門性に言及せず、何かまる投げっぽい気もしますが。

1.2に限らず、技術コンサルとして専門の幅を広げる努力をすることも非常に重要でありつつ、自信の力を過信せず、無理をせずに人脈を生かしたマッチングを仲介するのもコンサルの仕事ですということにしましょう。