専門とする技術の守備範囲(まとめ)
専門とする技術の守備範囲について、まとめます。
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(もりぞー)
まず、私の意見は、技術コンサルは浅くて広い技術的な知識や経験を持っていることがベターだけれども、必要条件ではない、です。
基本的なスキルが身についていれば、あとは「知っているか知らないか」のレベルの問題だと思います。
知らなければ知るように、つまり勉強すればいいだけですから。
以上のことをまとめると、技術コンサルは、技術の守備範囲が広いことよりも、技術に共通するスキルを習熟しており、かつ自分の知らないことを知ろうとする意欲がある、ことが重要なのではないでしょうか。
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(チャックのエージ)
どんな技術にも対応できると謳うと知識が浅いと疑われるかもしれませんし、自分の専門以外は対応できないとすると、クライアントが限られてしまいます。
多くの場合、コンサルティング業務では、同じ業界内の複数の企業をクライアントとするプロジェクトを行っています(同時にということはないと思いますが)。そして、そこから仕入れた業界の知識や同業者の秘密情報を持っているため、問題解決の最適解を知っている。。。
つまり、一回新たな領域について学習すれば、次に生かせると。
技術コンサルタントが対応すべき技術の範囲は、自分の専門を含む「技術士」の部門の範囲である。しかしながら、自分の専門外の領域であっても、身につけた技術コンサルティングツールを生かしながら、業界研究を行い、対応していくだけの意欲が必要である。
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(なんちゃってSE)
クライアント視点からみて、どの程度の範囲について対応を期待するか。
簡単な例を挙げてみます。
甲さんはIT系技術コンサルタントです。
A社のデータベースソフトKについて豊富な経験・実績をもちます。
この場合、甲さんに対してどの程度の範囲について対応を期待するでしょうか。
○対応を期待する範囲
Kのバージョンアップ、他のデータベースソフトからKへの乗り換えなど、Kが関わる範囲については当然対応を期待するでしょう。
また、Kはデータベースソフトですから、データベース全般についても対応を期待するでしょう。
つまり、Kについての経験・実績から連想できる範囲は対象となると思います。
×対応を期待しない範囲
経験・実績には全く出てこなかったB社のサーバーLについて、技術コンサルとして対応を期待するでしょうか。
さすがにそれは考えにくいです。
それなら、B社のサーバーに詳しい別の人に対応を期待するでしょう。
つまり、Kについての経験・実績から連想できる範囲以外は、対象外になるのではないでしょうか。
まとめると、「クライアントが技術コンサルタントの経歴・実績をみて期待するであろう範囲」となります。
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(ミランダ編集長)
お客さんにしてみれば、現在抱えている問題を一刻も早く解決できるように協力して!という切実さがあり、いろいろと状況をお聞きしている時間にも緊張感が漂います。期待する守備範囲を決めているのは顧客のほうかな、と思います。しかし、実際に自分がその場で(調べ物をすることなく)即答できる守備範囲と言えば、(研究)経験のある狭い専門分野になります。お客様の要望に応えるべく、いろいろと勉強していくうちに、段々と守備範囲が広がっていくのです。そういう意味ではお客さんが我々を鍛えてくれているのですよね。独立したコンサルティングファームで働いており、激しい競争にさらされていると仮定した場合には、自分の得意分野をきっちりアピールする、また需要の多そうな分野の知識を見に付ける必要がありますね。いずれにしろ、「日々是勉強」であり、止まっているヒマはありません。勉強会の皆様、共に頑張りましょう!
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(よっすぃー)
専門とする技術の守備範囲についてですが、一本太い幹があって、そこに枝葉がどれくらい生い茂っているかということだと思います。
自分自身で言うならば、さほど太くはないですが、応用微生物学の幹があってそこに化学工学やら衛生工学やら資源利用学やら食品化学やらやらの枝葉がのびる。
自分の根幹となる幹の部分は十分な経験も知識も必要になります。
ですが、枝葉の部分はそこまで必要とせず、場合によってはどちらか一方あれば事足りるかと思います。
ただ、この枝葉が他の方の幹まで届いているかも重要な気がします。
人脈を得る能力も重要な技術要因ではないでしょうか。
依頼者が我々の専門分野をピンポイントに求めてくるばかりではないでしょうから、横のつながりを持つことも重要な要素かと思います。
結局、核となる専門分野を中心として、依頼者の要求に応じて必要となる範囲がその都度変わるのではないでしょうか?
枝葉にどれくらいのレベルを追求するかは、程度の問題で実質的な終わりはないと考えます。
各個々人がどこまでに設定するかですね。
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(ズッキー)
守備範囲となると、その人の強みとなる分野が範囲になるのかなと思いますが、
そこで終わってしまうと、その人の守備範囲は狭くなるのでしょう。
だからと言って満遍なくやるのは、反対に強みがなくなり守備範囲は広いが
すぐに壊れやすいものになるのかもしれません。
では、どうするのか?
私は、π型の技術者を目指します。
自分の強みとなる柱を複数持ち、そこにそれぞれの柱と関連付く幅広い知識を
持ち合わせるということです。
自分の目標に向かってどれだけ努力できるのか!
どうすれば努力できるような仕組みを自分で作っていくことができるのか!
自分の目標に一歩でも近づくため、勉強会の皆さんと楽しく、熱く勉強を
やっていきたいと思います!
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(がーすー)
まず、クライアント視点で考えます。
クライアント視点では、「技術コンサルタントの守備範囲」とは、「ビジネスにおける製品化プロセスのうち助言してもらえる範囲」を指すこととなります。
技術コンサル側が専門とする技術の守備範囲とは、
「ビジネスにおける製品化プロセスのうち助言できる技術範囲」と考えるのがベストとなりますね。
となると、「ある工場のポリエチレンの生産性改善を上げる案件に2年間携わった」、「ある会社の不良品発生原因が工程上にあることを突き止め、歩留まり率を上げることができた」など、具体的な経験・結果がベストとなります。
経験が浅い場合はこのようなアピールすることが難しいので、学術だけでなく、ビジネスに直結することを学んでいますと言えればベターとなるはずです。
以上より、専門とする技術の守備範囲とは、核となる「有機化学」に加え、工場でよく使っている「熱力学」、「材料物性」、「反応速度論」などの方向に広がっていくのが技術コンサルに求められている守備範囲となるでしょう。
繰り返しになりますが、抽象的には、技術コンサル側が専門とする技術の守備範囲とは、「ビジネスにおける製品化プロセスのうち助言できる技術範囲」ですね。
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(10の12乗)
私はあまりクライアントに重きを置かず、技術コンサルをする人に重きを置きたいと思います。
まず、勉強会でも話し合われましたが、先端技術に関しては、
私は、新聞や業界に関わる雑誌を読んで言葉の意味が分かればいいと考えます。
なので、基礎的な知識(大学教養レベル)を有していれば、専門分野に関しては良いと思います。
そして、クライアントから、その都度話を聞き、見地を増やしていく方が実践的で
時間を効率的に使う事が出来ると考えます。
分からないので教えて下さい姿勢の方が、相手からいろいろ話を聞くことも出来ますし、多く話せば
それだけクライアントとの信頼関係も増し、問題を探すヒントを多く引き出せる可能性を秘めているからです。
専門分野と呼ばれていても、範囲も曖昧ですし、どこまで知っていれば専門分野ですと言えるかも
難しいと思います。
よって、自分が技術コンサルですと名乗って仕事をする場合の専門分野の表示の仕方には
気をつけなければいけないと考えます。
以上より、基礎的な知識を有し自分が理解出来る可能な範囲だと思います。
これは極めて当たり前のことですが、出来ないものは出来ないと言う事です。
また、それを正確に明記する必要があると思います。
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(いまち~)
さて、専門とする技術の守備範囲ということですが、
まず、大まかに技術の分野に分けることができるでしょう。
私の場合は生物工学の技術者ですから、その周辺分野ということになりますね。
主には経験のある技術が中心になるでしょう。
生物工学で言えば生物化学工学、遺伝子工学、情報工学(バイオインフォマティクス)etc...
コンサルタント各人の経験に基づき、さらにその周辺をという感じですね。
またもや私の場合ですが、私は培養工学を主にやっていますので
培養工学からそれを含めた生物化学工学がカバーすべき守備範囲ということになるでしょう。
さらにその周辺の生物工学についてはざっと知っているというのはもちろん必要です。
企業内技術者の視点からみると、おそらくクライアントは
コンサルタントにその人の経験のある技術分野の知識なりアドバイスなりを求めるのだろうと思います。
特に日本の企業にはそういう傾向があると思います(経験重視)。
できるだけ多くのことを経験しておきたいですが、
企業内技術者の自由度はそう高くないのでこの辺りは難しいところですよね。
中核となる技術は何なのか、自分でよく認識しておき、
それについては誰にも負けないという自信が持てるようにすることが最低限必要です。
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来週から新たなテーマで9名の書き手がつらつらと書いていきます。