技術コンサルとは?(まとめ) | 技術コンサルティング研究会 BLOG

技術コンサルとは?(まとめ)


1.技術とは(がーすー)


広辞苑及び知財界の考えでは、技術とは
科学を実地に応用して自然の事物を改変・加工し、人間生活に利用するわざ、一定の課題解決のための具体的手段であり、具体的手段を有するものとして客観的なもの、並びに第三者に伝達可能なもの(技能、技巧除く)をいいます。


技術コンサルでいうところの技術は、これらの定義のうち、(2)、(i)、(ii)の範囲と考えています。

簡単にまとめれば、「誰がやっても、ある程度の確率で、同じ結果を得られるもの」となるでしょう。


このような技術が持つ性格について考えると、「積み重ね」で進歩するのが一番の特徴のひとつと考えられます。つまり、誰がやっても同じ結果を得られる以上、ある技術が広まれば誰もが技術を使うことが可能となります。


したがって、技術は、毎年確実に進歩が繰り返されることになります。

また、これは他の会社も同じなので、他社の動向を知らないと、他社技術が広まった瞬間自社の進歩が無駄になる可能性があることになります。

一方、上の定義の逆、「やらなければ、何も結果は得られない」ことも真と思われます。

これは当たり前ですが、上の定義とあわせて考えれば、利用しなければ宝の持ち腐れということです。


☆ ☆ ☆


2.コンサルとは(10の12乗)


「consul」は、ジーニアス英和大辞典によれば、ラテン語の「consulere」(熟考する、相談する)、「元老院と相談する人」が原義とあります。

また、「コンサルティング」の意味を広辞苑で引くと、専門的な事柄について、相談に乗ったり指導したりすることとあります。


当たり前ですが、コンサルティングは相手がいて、初めて成立するものであると思います。

また「consulting」の形容詞的意味(ジーニアス英和大辞典)に「診察の」と言う意味があります。


コンサルティングは医者みたいなものであると言われているのですが、言葉の意味を調べてみると、正鵠を射た、わかりやすい表現だと思いました。


☆ ☆ ☆


3.技術コンサルタントとは


(1)もりぞー
私の考える技術コンサルタントは、
・お客様の抱える技術的な課題を抽出できる
・抽出した技術課題について、解決策を提示できる
・解決策に応じた評価が行なえる
の3点の素養が備わった人物だと考えます。


上記3点のうちでも、一番最初の、
「お客様の抱える技術的な課題を抽出できる」
は、最も重要な素養だと考えています。


そもそも課題を見誤っていると、どんな努力も徒労に
終わってしまうからです。


この場合、技術的な問題は何も解決できないわけですから、
依頼主であるお客様に迷惑がかかるだけでなく、お客様の
製品やサービスを使う最終消費者まで被害が及びます。


もしかすると、
「お客様の抱える技術的な課題を抽出できる人」=「技術コンサル」
なのかもしれません。


ただし、課題を抽出するというのは、非常に難しいこと。

特に、お客様と同じ視点に立ってしまうと、表面的な
課題を抽出できても、内在する「真」の課題は抽出
できないおそれがあります。


現在感じ取れるものだけではなく、まだ見えて
いない課題を「見える化」できる者が、
技術コンサルといえるのかもしれませんね。


(2)チャックのエージ


技術的要素を中心にコンサルティングを展開していく点が最大の特長です。しかしながら、技術だけ知っていればよいと言うものではありません。


技術を中心にした人の流れ(人事)、お金の流れ(財務)等にも見識がなければならないでしょう。理想をいえば、技術コンサルタント= 経営コンサルタント+ αであるべきです。少なくとも、技術コンサルといえども、コンサルティングを行う上で、経営的要素は無視できません。うーーん。学ぶべきことがたくさんありそうです。


残念ながら、私をはじめメンバーのほとんどが技術コンサルを生業としているわけではありません。しかし、もりぞーさんのいう「技術的な課題の抽出」、「解決策の提示」、「解決策に応じた評価」は、自分の職場でも実践可能です。すなわち、勉強会や本ブログで技術コンサルの様々な柱について学び、議論し、身近なところで実務経験を積むことができます。


現在活躍されている技術コンサルタントの方々は、これまでの業務経験を買われて依頼を受けています。技術コンサルタントになるために必要な経験、勉強は、日々の業務で培うことができるのです。つまり誰でも技術コンサルタントになれるのです。


そのためには、職場における技術的課題を的確に抽出し、解決策を提示・実施・評価することを、常に視野に入れて日々の業務に励むべきであると考えます。


(3)なんちゃってSE


技術コンサルタントとは、一言でいうと「技術を軸としたコンサルタント」だと思います。
つまり技術の専門家であり、コンサルタントのスキルを兼ね備えている人です。
以下、この二つについてコメントします。


Ⅰ.技術の専門家であること
クライアントの技術的な相談に乗るわけですから、
求められている技術の分野に関しては専門家である必要があると思います。
それ相応の知識、経験が求められるため、素人にはできないでしょう。


Ⅱ.コンサルタントのスキルを持っていること
コンサルタントのスキルと言ってもたくさんありますが、
コアとなっているのは下記三点ではないでしょうか。


Ⅱ-1.課題発見すること
クライアントは有能な社員がいるのに、何故コンサルタントを雇うのでしょうか?
社内からは見えない課題がある、

それを第三者に見つけて欲しいというのが一番の理由ではないかと思います。
(もしかしたら、クライアントは課題があることすら気が付いていないかもしれません。)
しかし、もりぞーさんもいっていますがこれはとても難しいことです。
課題を発見するには何が必要でしょうか?
いろいろあるかと思いますが、一番必要なのは多角的視点ではないでしょうか。
現状分析をするにしても、視点によって見方が変わると思います。
そうすれば、今まで見えてこなかったものも見えてくるかもしれません。
普段から、いろいろな視点で物事を見る訓練をしておかなくてはなりませんね。


Ⅱ-2.解決策を作ること
課題を踏まえた上で、実現性のある解決策を作らねばなりません。
実現性は、技術的側面と経営的側面があると思います。
経営的側面とは人、金、時間のバランスのことです。
これら二つの側面を考慮できなければならないでしょう。


Ⅱ-3.納得してもらうこと
いくら課題を発見し、解決策を作っても、

クライアントに納得していただかなくては実行できません。
よって、そのための説得力が必要です。
説得力は、論理的側面と感情的側面があり、どちらも必須だと思います。


(4)ミランダ編集長

「技術」コンサルと聞くと、自分は技術の専門性にフォーカスしてしまい、基本的には、研究室で実験がうまくいかなくて困っている後輩を、先輩としての知識と経験で助けるようなイメージが浮かびます。それをビジネスシーンに当てはめれば、製品開発の途中で技術的に行き詰っている会社の問題をコンサルタントとして的確な助言で解決する、ということになるのでしょう。しかし、その会社が抱えている技術的な問題の背景には別の要因(資金難や人的リソースの不足など)が隠れている場合もあると考えられるので、勉強会では広く会社経営(現在は企業会計?)の基礎についても学んでおります。問題の根本的解決を図り、広い視野を持ったコンサルタント(私の場合は技術士)となることを目指したいと思っております。技術者の心得としては、いつも読むたび身が引き締まる、浅野友一先生の言葉を引用させていただきます。


与えられた問題が解決できないもの
これは技術者の資格がない


与えられた問題の解決方法が
ただ一つしか考えられないもの
これは平凡な技術者である


与えられた問題に対し数多くの
異なった解決方法を考案し
その中から最良の手段をえらんで
成功に導くもの
これは非凡な技術者である


(5)よっすぃー

「的確かつ最善の手法を持って、クライアントの技術力の質的向上を請け負うこと(者)。」

クライアントは一定ではなく、様々なケースが存在します。つまり、その時々で、とるべきコンサルティング手法が異なり、求められるスキルも多様化します。この研究会の中でも様々なクライアントを想定してシミュレーションを行ってきました。単純な技術指導が必要であったり、知的財産に関するものが必要であったり。場合によっては、根本的な技術戦略の見直しをはかることも議論されました。さらに、コンサルティングの結果として、一歩でも二歩でも現状から向上させなければなりません。


したがって、広い技術知識を有し、客観的な状況把握と論理的な行動力が必要になると思います。
個人的な意見としては、こんなスキルを持ち合わせていないので、多分野にわたる専門家集団による実施が最適ではないかと考えています。


ところで、余談ですが、コンサルタンティングする側の心構えとして、満点の結果を意識してはいけないなと、書いていて感じました。なぜなら、自らコンサルティングの限界を設定してしまいますし、得られた成果に対する判定はクライアント側に委ねられるからです。つまり、満点の基準はクライアント側の価値観に依存します。コンサルタントは絶対評価で結果を論じ、クライアントは相対評価で判断を下すものではないでしょうか。


(6)ズッキー


私が考える技術コンサルとは、次のような能力をもつことが大切かなと思います。
 ●技術力
 ●ビジネス力


「技術力」とは、お客さまにアドバイスできるレベルの専門知識を指しているのですが、世の中にある数多くの技術に対して、まんべんなく専門レベルの知識を有することは不可能かもしれません。


そこで、専門知識が他の知識と結び付けることができることがような知識の持ち方が大切なのかと思います。

 ■「技術力」⇒専門知識+幅広い知識(専門知識よりは浅いレベル)

そして、ビジネス力です。これは、私が強く思う部分なのですが、一般的に技術に対するアドバイス(評価)は、ほとんどの技術師の方はなさると思います。


お客様が持つ高い技術力をどのようにして市場のニーズに落とし込んだ形で世間に提供できるのか。を考え、お客さまにアドバイスできることが大切だと感じます。


(7)がーすー


毎年確実に積み重ねで進歩するものを扱うコンサルであり、他社との比較力が重要なコンサルであると考えられます。


また、他のコンサルと比較すると、実施した場合と、実施しなかった場合の差が明確に現れるので、お客様に実施させる能力が求められるコンサルであると考えられます。


(8)10の12乗


技術であるところが重要なので、次の課題とも多少関係しますが、現状ある技術を使って、社会のニーズに合ったものを示さなければいけないと思います。


なので、専門技術を幅広く知らないといけないですし、社会の動向も知らないといけないと思います。

また、自分でこれが良いと思っても、顧客が満足しなければいけないので、人間力も必要であると考えます。


(9)いまち~


どう定義するか難しいですが、
技術的用件については他の皆さんが考察されていますので、
重複しない内容で私の漠然としたイメージと
こんな仕事がしたいというのを書いてみます。


技術のコンサルタントには
単にある分野の技術の専門家でご意見番というだけでは足りません。
技術のコンサルティングはあくまで技術のことについてだという意見もあるでしょう。

しかし、それだけでは足りません。


クライアントの抱える問題は単に技術的な問題に限らないですよね。

もちろん自分のコアとなる技術の研鑽は必須ですが、
こうしたマルチな才能が求められ、
かつ人間的に魅力のある人であることが必要ですね。


特に人間的に「この人に話を聞いてもらいたい」と思われることも重要でしょう。
技術的かつ人間的に信頼できる相談役が技術コンサルタントなのだろうと思っています。


現在私は企業内技術者ですが、
コンサルタントに求めるものとしては技術的なアドバイスはもちろんですが、
安心感といいますか、メンタルなものも求めてしまうものではないかなと。


結局のところ話を聞いてみると職場のもめごとが原因で
問題解決に動いていないケースが多いと言います。
技術的に正しい見地からカウンセリングが行える、


心理的支えになれる存在が技術コンサルだと思います。


===


来週から、


「技術コンサルと経営コンサルとの違いは?」


について書いていきます。