前を歩いていたおばあさんがカギを落としたので、B君は急いで拾っておばあさんに声をかけて渡した。おばあさんは、杖をついて歩いていたが、元気そうだった。それもそのはず、おばあさんは魔法使いだったのです。昔居た「奥様は魔女」の魔法のかけ方は鼻をピクピクさせることだった。このおばあさんの魔法はもっと普通のやり方で、魔法の棒を振るだけだった。それを知ったB君は、あの棒を手に入れたら魔法をかけ放題だと思い、密かにそれを盗む計画を立てていた。
 ある日、そのチャンスが到来し、B君はまんまと魔法の棒を手に入れた。家に持ち帰り、棒を振ってみるが魔法をかけることが出来ません。魔法をかけるにも、経験とトレーニングが必要なのです。
 そうこうしている時に、その棒の根元に小さなシールが貼ってあることにB君は気づきました。そこには、次のように書いてあった。
 「魔法研究所:魔法の呪文教えます。
  ・即席コース:5時間、5万円
  ・実践コース:1週間、20万円
  ・研究コース:実践コース終了後に参加できます」
 B君は手っ取り早く魔法をかけたいので、即席コースに申し込んだ。そしたら、講師として現れたのは、例のおばあさんだった。魔法の棒を盗ったことがバレて、とんでもない目に合わされて解放された。
 B君は、今、その時の記憶がありません。何もなかったかのように、平穏に暮らしています。