僕は「暇」が怖かった。


予定が空いていると不安になる。

電話が鳴らないと落ち着かない。

スケジュールが埋まっていないと、価値がない気がした。


だから、常に動いていた。


仕事を入れる。

頼まれごとを受ける。

断らない。


結果、毎日クタクタ。


でも──


数字は増えなかった。


今ならわかる。


僕は仕事に依存していたんじゃない。


忙しさに依存していた。


忙しいと、考えなくて済む。


・本当に儲かっているのか

・この方向で合っているのか

・将来どうなるのか


それらを、全部先送りできる。


忙しさは麻酔だ。


痛みを感じなくさせる。


でも、傷は治らない。


むしろ悪化する。


386万円は、

怠けた結果じゃない。


忙しさに逃げ続けた結果だ。


ある日、スケジュールを全部書き出してみた。


愕然とした。


「これ、なくてもいい仕事じゃないか?」


そんなものが山ほどあった。


“やらないこと”を決めた瞬間、

初めて余白が生まれた。


余白ができると、考えられる。


考えられると、設計できる。


再設計は、

削ることから始まった。


続く。