正直に言う。


僕は、数字を見るのが嫌いだった。


売上は見る。

でも「利益」はちゃんと見ていなかった。


通帳残高は見る。

でも「月末の支払い合計」は直視しなかった。


都合のいい数字だけを拾って、

都合の悪い数字は後回し。


それを繰り返していた。


「今月はなんとかなる」


この言葉を何回使っただろう。


なんとかなる、は魔法の言葉だ。


でも現実は、

なんとか“していない”だけだった。


ある日、全部を書き出した。


・毎月の固定費

・変動費

・借入残高

・支払いスケジュール


紙に並べた瞬間、

逃げ場がなくなった。


そこで初めて理解した。


売上があっても、

設計がなければ破綻する。


利益が残らない構造で走り続ければ、

いずれ止まる。


386万円は、

突然できたわけじゃない。


小さな無視の積み重ねだ。


1万円の赤字。

3万円の不足。

「来月で調整しよう」の繰り返し。


それが雪だるま式に膨らんだ。


怖かった。


でも、数字は敵じゃない。


敵は、見ない自分だった。


再設計の第一歩は、


“全部見る”


そこからだった。


続く。