エンジンチェックランプ点灯
日 付 | ハイオク | レギュラー | 軽 油 |
---|---|---|---|
11月6日 | 172円/ℓ | 162円/ℓ | 1138円/ℓ |
- もくじ -
今回はエンジンチェックランプが点灯したという事で入庫した、トヨタ/ノアの点検整備です。
エンジンチェックランプが点灯するには色々な原因があります。
比較的多いのは排気センサー系のトラブルですが、あくまでも「比較的多い」程度なので、チェックランプが点灯したという理由で先走って排気系センサーを購入したりすると無駄な出費を招くことになりますので注意が必要です。
排気系のセンサーといえば、最近はネットで格安センサーが販売されていますが、個人的にはあまり手を出したくない商品です。
あくまでも個人の見解なので絶対にダメという訳ではありませんが、過去に整備した車でも交換したセンサーがダメになっていたケースがありましたので、排気センサー系はよく考えて購入しましょう。
話がそれてしまいましたが、早速点検をしていきましょう。
診断機を車両に繋いでみたところ、よくある排気系のトラブルでは無く、「バルブリフトコントローラー」のエラーを拾っていました。
実はこのエラー、少し前のトヨタ車で見かけるエラーで、想定以上にお金が掛かるエラーです。
エンジンチェックランプが点灯してしまうと車検に合格できなくなりますので、強制的に車検までに修理を余儀なくされるエラーになります。
修理費用的には部品代と工賃で8~10万円前後掛かってしまい、追加で周辺パーツを同時交換する事になるとそれなりの費用になります。
車検時期にこのトラブルが重なってしまうと、単純に車検費用が倍になる可能性もあるため、車検同時交換は是が非でも避けたいトラブルと言えます。
幸い今回は車検の時期では無い事と、まだまだ頑張ってもらいたい愛車という事だったので交換修理することになりました。
それではトヨタ/ノアのバルブリフトコントローラー交換作業、開始です!
それでは作業開始です。
バルブリフトコントローラーの交換にはタペットカバーを開ける必要がありますので、まずはエンジン上部をスッキリさせる必要があります。
70系ノアはエンジン上部が比較的ゴチャゴチャしていますので、これらを全てクリアにしてからの作業になります。
カバーを取ると配線やらホースやらが入り乱れていますので、これらを邪魔にならないよう整理していきます。
はい、スッキリしました。ちなみに、ここまでスッキリさせるのに軽く1時間以上掛かります。本来はここまでしなくても交換はできると思います。
次に、タペットパッキンを開けていきます。
はい、取れました。この写真はタペットシールが交換されているので組み立てている時の写真ですね。
今回交換するバルブリフトコントローラーはこのパーツです。
エンジンに向かって右側に付いている部品です。
さて、このバルブリフトコントローラーなるパーツは何かというと、端的に言えば吸気側のバルブの開閉量をコントロールしている部品です。
バルブとはエンジンの中に取り入れた空気を閉じ込めるための蓋です。
バルブリフトコントローラーはこの空気を閉じ込める蓋のリフト量(開閉量)をエンジンの回転状況に応じて減らしたり増やしたりしています。
エンジンの負荷が軽いとき(パワーを求めていない時)にはバルブの開く量を少なくして空気が入る量を制限し、エンジンに高負荷が求められる時(パワーが欲しいとき)はバルブの開く量を大きくしてより多くの空気が燃焼室内に取り込まれるようにしている部品です。
つまり、バルブリフトコントローラーは吸気バルブの開閉量を操作し、空気の流入量を理想の燃焼効率に近づける事で燃費を向上させながら、通常なら非力になるはずの低燃費エンジンを、適切なバルブの動きで出力の増加にも貢献するという夢のシステムとなっています。
昔の車は一度決定されたバルブリフト量を変化させることが出来ませんでしたので、低燃費を重視すればパワーが落ちますし、逆にパワーを求めれば燃費が悪くなってしまうのが当たり前でした。
そう考えれば近年の車に取り付けられているエンジンは、ここ30年で驚くほど進化を遂げていることになります。
ただしこの部品はトンデモナク複雑な構造をしているので分解による修理はまず不可能で、唯一の修理方法は部品の交換だけなのが難点とも言えます。
では、下準備も整いましたのでバルブリフトコントローラーを交換していきましょう。
それでは交換作業に取り掛かります。
交換方法としては、カムシャフトを所定の位置にしてからバルブリフトコントローラーの取り付けボルトを外して交換するだけです。
但し、一つ難点があるとすればココです。
コントローラーとシャフトを固定するためのストレートピンがあり、それを抜くのに一苦労します。
整備書ではストレートピンを磁石でピックUPすると書いてありますが、そう簡単には抜けてくれません。
なので大体力業になることが多いです。
今回も磁石は役に立たなかったので下から押し上げるようにして抜きました。
ストレートピンを抜くとバルブリフター本体が取り外せます。
はい、抜けました。中央の穴にコントローラーのシャフトが入ります。
交換するパーツはこちらデス。箱の中に入っているのがバルブリフトコントローラーですね。
今回はタペットカバーを取り外すのでプラグも同時交換することになりました、
それではいつものように記念撮影をしておきましょう。
ハイチーズ。左側が旧パーツ、右側が新パーツです。
若干形が違う部分が見受けられますので何らかの対策が施されているかも知れませんね?
ここまでくればあとは逆手順でくみ上げるだけです。
はい、取り付けできました。新しい部品は初々しいですね!
プラグも交換してしまいましょう。
タペットパッキンとプラグホールパッキンも一緒に交換してしまいます。
後は取り外した部品を組み立てていきます。
はい、完成です。
一部トラブルもありましたが無事完成しました。
一部のトラブルとはコレのことです。
トヨタあるあるですね。初度登録から10年以上経過している車は、エンジンルーム内にあるコネクター類のロック部分が少しの力を加えただけで粉砕してしまいます。
イグニッションコイルにはグレーと黒の2種類のコネクタが交互に組まれていますが、特に黒い方のコネクタは高確率で粉砕してしまいますので、取り外しには細心の注意が必要になります。
今回は残念ながら4番プラグのコネクタが1個犠牲になってしまいました。
が、このコネクタは予備を持っているのでご安心を!
はい、無事コネクタも新調できました。
あとは組み立てれば完了です。
それでは今回のまとめです。
今回はバルブリフトコントローラーの交換でした。
このパーツが悪くなると燃費が悪くなったり加速が悪くなったりするようです。
何よりも異常が出ればエンジンチェックランプが点灯してしまう部分なので、車検に合格することが出来なくなってしまう厄介なパーツになります。
エンジンならオイル交換をこまめにすることで一定のトラブルを未然に防ぐことができますが、このパーツは何が原因で壊れるのか不明なままです。
内部をエンジンオイルで潤滑していると何処かで見かけた気がしますので、もしかするとオイル管理の頻度で故障の出る出ないが左右される可能性はあります。
その証拠に、すべての車体で出る症状では無く、実際に30万キロ走っても症状が出ないエンジンもあります。
という事はエンジン内にスラッジなどが溜まりにくい走行を繰り返している車体は大丈夫で、ストップアンドゴーが多い街乗りメインの車体はダメになってしまうパターンかもしれません。
いずれにしてもこのパーツ、ダメになったら交換するしか解決方法が無いという事だけ覚えておくといいと思います。
それではトヨタ/ノアのバルブリフトコントローラーの交換作業、終了です!
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