ドライブシャフト交換
日 付 | ハイオク | レギュラー | 軽 油 |
---|---|---|---|
9月29日 | 183円/ℓ | 173円/ℓ | 149円/ℓ |
- もくじ -
今回はドライブシャフトブーツに穴が開いてしまったスズキ/エブリィを修理していきます。
ここで疑問が一つ。
通常、エブリィのドライブシャフトはホーシング内で動いているのでドライブシャフトブーツは存在しないのでは?という疑問が出てきますが、今回のエブリィは4WD車の為、フロント側にドライブシャフトブーツが存在します。
車種によってはリア側にドライブシャフトブーツが存在していることもありますが、基本的にはリアはホーシングになっていることが多いです。
ちなみに、私の愛車であるバモス君はリア駆動ですが、リアにエンジンが在るためホーシング式ではなくドライブシャフト式になっている為ブーツが付いています。
今回は、4WDのエブリィのフロントシャフトに使用されているドライブシャフトブーツからグリスが漏れてしまっていたので、そこを修理していきます。
それでは、スズキ/エブリィのドライブシャフトブーツ交換、開始です!
それでは状態を確認してみましょう。
まずは交換前の状態がコチラ。
ブーツ自体は割れている訳ではありませんが、何処かに小さな穴が開いてしまった為に内側のグリスが遠心力で飛び散ってしまっていますね。
最近のドライブシャフトブーツはとても頑丈に作られていますので、ひと昔前の車のようにブーツがパックリと割れてしまう事は無くなりました。
が、その反面、ブーツに小さな穴があいてしまい、そこから内包しているグリスが少しづつ漏れだしてしまう事があります。
このエブリィもそのような状態で、ブーツ自体に明確な割れはありませんが、小さな穴が開いていました。
問題は、何故この穴は開いてしまうのか?と言う事になります。
考えられるとすると、ブーツは樹脂素材で出来ているので、もしかすると形成時に樹脂の中に小さな気泡が入り込んでいたりすると、使用して摩耗が進むと素材の中の気泡が穴として抜けてしまうのかもしれません。
が、それも確認できるものでも無いので、あくまでも推測に過ぎません。
ともあれ、シャフト自体には損傷は無さそうなので今回はブーツだけを交換していきます。
それでは早速部品を交換していきましょう。
まずはドライブシャフトを抜きます。
はい、抜けました。
作業前に周りに飛び散っていたシャフトグリスは綺麗に拭き取りました。
今回使用するブーツはコチラです。
スズキの純正ブーツキットです。
FF車の場合は社外ブーツという選択肢もありますが、今回は珍しい4輪駆動車のブーツなので純正部品でしか供給がありませんでした。
それではシャフトを分解していきましょう。
交換するブーツは外側のブーツですが、このドライブシャフトはアウタージョイントの分離が困難な為、内側から分解してブーツを交換していきます。
はい、分解できました。
内側のブーツは再利用しますので丁寧に取り外し、外側のブーツはハサミでカットしました。
左がカットした外側のブーツで、右側が新しいブーツです。
シャフトは古いグリスを綺麗にしてから新しいブーツを組み付けて行きます。
今回使用した純正ブーツの場合、ブーツの組み付けに必要な工具があります。
コレです。ブーツバンドを締め付ける際に使用する特殊工具ですね。
滅多に使う事はありませんが、無いと非常に困る工具です。
この工具を使用して小さい方のブーツバンドを締め上げます。
締め上げ完了です。
写真のブーツ左側にブーツバンドがありますが、固い樹脂製のブーツはこのブーツバンドが使用されていることが多いです。
バンドを締め上げるとこんな感じになります。
次に外側のブーツバンドを締めていきましょう。
はい、出来ました。
あとは内側のブーツを元通り組み直して完成となります。(写真忘れました)
コチラが完成写真です。あとはコレを車に取り付ければ作業完了ですね!
それでは完成したシャフトを車に取り付けましょう。
組み付けは分解と反対の手順です。
まずはデフ側にシャフトを取り付けます。
デフオイルが漏れないよう、ちゃんとロックピンが効くまで押し込みます。
その後にナックル側を組み付ければ完成です。
こんな感じに仕上がりました。
飛び散っていたグリスも綺麗にしましたので、随分すっきりとして見えます。
下から見るとこんな感じです。
作業前はこんな感じだったので綺麗になりましたね!
と、言う事で今回のまとめです。
ブーツ交換には2種類の交換方法があります。
一つ目は今回の作業と同じように、車の部品を分解してブーツを入れ替える方法で、コレをAとします。
二つ目は車側の部品を分解せずにブーツだけを変える方法、これをBとしましょう。
部品を分解せずにブーツ交換が出来るなら、リスクを負って分解整備するAより簡単に交換できるBの方が整備が楽なのでは?という考えに至りますが、実はそんな簡単な問題ではありません。
Bのブーツ交換の場合、車側を分解しない反面ブーツ自体が割れていて、組み付けた後にブーツの割れ目を接着剤で固める方法が主流となっています。
ただ、元々割れ目があると言う事は、通常使用している間に接着剤が剝がれてしまい、中のグリスが出てしまう事もあります。
なので、Bの整備方法はどちらかと言うと修理と言うより、一時的に使用を可能にする補修的なイメージがあります。
割れブーツを使うメリットとしては、指定や認証を受けていない中古車販売店やガソリンスタンドなどで、車検整備時等に使われることが多いと思います。
この場合、車輌側を分解しないで行う作業なので、指定や認証の資格が無くとも車検整備が出来るアイテムという位置付けですね。
誰でも簡単に作業が出来る…と言う訳ではありませんが、設備が無くても作業が出来ると言う点ではとても便利なブーツと言う事になります。
が、残念ながらグリス漏れが多いと言う事も認識しておかなければなりません。
当店では分解整備が出来る設備がありますので、基本的にはBのブーツは使用せず、Aのブーツを使用して整備しています。
Aの方法は、壊れてしまった箇所を元通りに戻す作業なので、手間は掛かりますが修理後は心配なく使用する事が出来ます。
どちらの方法が良いとか悪いという意味ではありませんが、場合によって使い分ければ良いと思います。
現に私のバモス君は車検時にドライブシャフトブーツの破れがあったため、急遽割れブーツを使用して補修しましたが、3年経ってもグリス漏れはありません。
結論、ドライブシャフトブーツに損傷があった場合は、整備者とどのブーツを使うか相談、納得した上で選べばいいと言う事になります。
と言う事で、スズキ/エブリィのドライブシャフトブーツの交換作業、完了です!
お問合せ先
奈良県香芝市今泉374-1
株式会社テック
セルフカーステーション香芝インターSS
tel 0745-78-6461
担当 ヤマサキ