オーバーヒート
日 付 | ハイオク | レギュラー | 軽 油 |
---|---|---|---|
9月3日 | 188円/ℓ | 178円/ℓ | 154円/ℓ |
- もくじ -
今回はラジエターのトラブルで入庫したスズキ/エヴリィの点検修理をUPしたいとおもいます。
ラジエター系のトラブルの多くは、温度調節関係のトラブルと漏れ関係のトラブルでしょうか。
症状としてはヒートゲージが点灯するだけなので一見同じ症状に見えますが、対処としてはまったく違う作業をすることになります。
また、温度系と漏れ系のトラブルはお互いに影響し合う事もありますので、症状が軽微なうちに手を打つ方が得策だと思います。
今回のケースは温度調節関係がうまく働かなかったことでヒート警告灯が点灯してしまったケースになります。
それでは、スズキ/エヴリィのオーバーヒート修理、開始です!
それではトラブル個所を特定していきます。
まずはお客様にヒアリングから。
① 何の前触れもなく突然メーターパネル内のヒートランプが点灯した。
② エアコンは効いていたような気がする。
③ エアコンの温度調節をヒーターにすることでヒートランプが消灯した。
と言う感じでした。
連絡を頂いた時、ヒートランプが点灯したと言う事だったので、念のため車のエアコンを入れたまま温度調節を最高に、風力を全開に設定してもらいました。
こうする事で一時的にクーラントの水温が下がる事がありますので、試して頂いたトコロ、水温が下がりヒートランプが消灯したということでした。
エヴリィはエアコンとラジエターのクーリングファンは別々にあるので、ラジエターの水温に関係なくクーラーは効くようです。
と言う事は今回の原因はラジエターファンが回らなくなってしまった事によるトラブルの可能性があります。
その辺りを踏まえて実車を点検してみましょう。
まずはエンジンを温めてクーリングファンの作動確認をします。
結果は、ラジエターファンの駆動を確認できました。
怪しい回転では無く、しっかりと回っているようなのでクーリングファン系のトラブルは取り合えず除外します。
それでは水漏れ系をチェックしましょう。
ラジエターキャップはかなり年季が入っていますね?
多少クーラント漏れの痕跡も見られますので、怪しいですね。
ココのキャップが怪しいと言う事は、恐らくエンジン側のキャップも逝っている事でしょう。
キャップを開けてみてもクーラントは減っている様子はありませんでした。
でも、コレだけではヒートランプの点灯には関係ないような・・・・。
気になるのでコンピューターを繋いでもう一度エンジンを暖気してみます。
すると・・・。
コンピューターで水温とクーリングファンの動作をモニターしていてラジエターファンの動作がおかしい事に気が付きました。
確かに水温が上がるとラジエターファンが動き出しますが、通常15秒ほどで止まる筈のファンが止まらないのです。
水温も殆ど変化がありませんでした。
水温に変化がないと言う事は、もしかするとアレが原因かもしれませんね!
と言う事で、今回の整備方針が決まりました。
まずは前席のシートをフルオープンにして、エンジン側のラジエターキャップが見えるようにします。
はい、御開帳です。中央の左側にあるのがエンジン側のラジエターキャップです。
コイツです。
早速キャップの生死を確認してみましょう。
はい、逝ってますね。このラジエターキャップは良く壊れるので当店では常に在庫を置くようにしています。
念のため新しいキャップも計測してみましょう。
新品はこんな感じでゲージの針は中央付近まで上がりますが、旧ラジエターキャップは殆ど圧力調整が出来ていませんでした。
でも今回のトラブルはコレが原因では無く、エンジン側のラジエターキャップの真下にあるサーモスタットが温度調節をしなくなっている事が原因でした。
ラジエターキャップを外した中に見えているのがサーモスタットです。
この車種はサーモスタットも常に在庫がありますので、早速取り外してみましょう。
取り外したサーモスタットがちゃんと働いているか確認してみます。
確認方法は、容器などにサーモスタットを入れてお湯を掛けるだけです。
温度調節弁が開けば問題なし、開かなければ問題ありということになります。
取り外した旧サーモスタットは何の反応もありませんね。
試しに新しいサーモスタットもテストしてみます。
新しいサーモスタットはちゃんと開きました。
これで今回のトラブルがサーモスタットの不具合だったことが判明しました。
原因も解りましたので部品を組み立てていきましょう。
新しいサーモスタットをケースに取り付け、ラジエターキャップも新しいモノに変更しました。
あとはクーラントを入れ替えて終了ですが、その前にボンネット側のラジエターキャップも点検します。
この様子ではコチラも相当痛んでいそうですからね!
圧力を掛けてみると・・・完全に死んでますね。
針が少しも上がらないのは久しぶりに見ました。
ラジエターのキャップ取り付け口もダメージが来ていましたので少し手を加えます。
錆を取り除いて軽く面出ししてから新しいキャップを取り付けます。
後はクーラントを補充してクーリングファンが回るまで暖気すれば作業完了です。
最後にクーラント量を微調整して納車となりました。
それでは今回のまとめです。
あくまで個人的な感想ですが、64型のエブリィは比較的ラジエター系のトラブルが多い車種です。
当店でも何時でも対応できるように一定のパーツを常備しているくらいなので、割とよく見かける事があると言う事です。
ただ、それが車種的な欠点と言う訳では無く、ちゃんと管理出来ていれば全く問題無く使用できる車です。
現に我が家の愛車もDA64型エブリィワゴンですが、車検毎にラジエターキャップを交換しているので今までトラブルが出たことはありません。
ボンネット側のラジエターキャップは交換しているが、エンジン側のキャップは交換されていない車もよく見かけます。
2年に一度、車検毎にキャップを交換してもらうだけならそれほど費用も掛かりませんしオススメです!
サーモスタットのトラブルはエブリィに限らずどの車種でもあるので、ヒートランプが点灯した場合は速やかに点検修理をしてあげましょう。
最近はオーバーヒートで点灯する赤色のヒートランプよりも、オーバークールで点灯する青色のクールランプ点灯の方がよく見かけるような気がします。
オーバークールの場合はオーバーヒートのようにエンジンダメージはありませんが、代わりにヒーターが効かなくなってしまいます。
夏場ならさほど気になりませんが、冬場は耐え難いくらい室内温度が上がらなくなってしまいますので、何れにせよ修理は必要です。
おっと、話が逸れてきましたのでこの位にしておきます。
と言う事で、スズキ/エブリィのオーバーヒート修理、完了です!
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セルフカーステーション香芝インターSS
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担当 ヤマサキ