ハブボルトのトラブル
日 付 | ハイオク | レギュラー | 軽 油 |
---|---|---|---|
6月20日 | 174円/ℓ | 164円/ℓ | 140円/ℓ |
- もくじ -
今回はハブボルトのトラブルで入庫したスズキ/エブリィを修理していきます。
トコロで、ハブボルトとは何か?
ハブボルトとはタイヤを車に固定するためのボルトですね。
軽自動車の場合一輪当たり4本、乗用車の場合4~5本のハブボルトでタイヤが固定されています。
ハブボルトは締め付けトルクが決められており、基本的にはトルク管理しなければならない部品で、当店ではタイヤの脱着時には100%トルク管理をしてからお客様にお車をお返ししています。
ただ、タイヤの脱着を一台分作業すると工賃もそれなりです。
今回はご自身でタイヤの脱着(スタッドレスタイヤから夏タイヤへの取替)作業を行ったところ、一本だけハブボルトにトラブルが出てしまったケースになります。
トラブルが出たハブボルトは基本交換になります。
場合によっては修正で使えるモノもありますが、今回はダメでした。
それではスズキ/エブリィのハブボルト交換作業、開始です!
それでは作業に掛かります。
まずは現状を確認しましょう。
4本のハブボルトのうち1本が潰れてしまっています。
お客様によると、「最初は回っていたナットが途中から回らなくなった」そうです。
ハブボルトやナットは使用しているうちに摩耗して使えなくなることもあります。
これはトルク管理をしていても言える事で、特に軽量金属製の社外ナットを使用している場合に起こりやすいように感じます。
今回は純正ナットを使用していましたがダメになっていました。
少し角度を変えると潰れたネジ山が解りますね。
こうなってしまっては再生は無理なので交換します。
まずはナックルからハブを取り外します。
その際にブレーキの分解も伴いますので有資格工場でしか作業出来ません。
間違っても趣味の範疇で足回りの分解は行わないようにしてください。
センターボルトを緩めて・・・。
ハブが抜けました。
後はハブから破損したボルトを抜き取り、新しいボルトを圧入するだけです。
ハブボルトの取り外しはプレスで。
ハンマーで叩いても抜けますが母材を痛めてしまう可能性もありますのでプレスでの作業です。
抜くときはあっけなく抜けますね。
ハブボルトの新旧比較です。左が新ボルト、右が旧ボルトです。
旧ボルトは気のせいか曲がっているように見えなくもないです。
後はハブを清掃して新ボルトを圧入するだけです。
では部品を組み立てましょう。
組立は至って簡単で、分解の逆手順です。
まずはボルトを圧入します。
新しいボルトをハブにセットして・・・。
圧入します。
1本だけ綺麗になりましたね。
後はハブに付いた汚れを清掃してからナックルに取り付ければ完成です。
それでは今回のまとめです。
ココまでやっておいて最後に完成写真を撮るのを忘れていました。(ゴメンナサイ)
最後にタイヤの取り付けをトルク管理して無事作業終了となります。
エブリィのホイール取り付けトルクは85N・mです。
他メーカーの軽自動車は104N・m~の締め付けトルクなので、スズキ車の締め付けトルクだけ少し緩めです。
ホイールの締め付けトルクはネットに公開されているので比較的簡単に調べる事ができますが、肝心のトルクレンチは何処かで借りたりすることは出来ません。
所有欲でトルクレンチを個人で保有されても役に立ちはしますが、使う頻度は少ないので個人所有は微妙な工具ですね。
車のジャッキUPも危険を伴いますのでオススメ出来ません。
止むを得ない場合以外はタイヤの脱着はプロに任せる方が得策です。
止むを得ない場合で致し方なく車載工具でタイヤの脱着を行う場合、締め付け過ぎに注意してください。
少しの距離を走るだけなら、車載工具の一番端を持って手で絞めれば大丈夫です。
体重をかけて締めこんだり、足で乗って締める事は部品の破損に繋がりますので避けましょう。
以上、スズキ/エブリィのハブボルト交換作業、完了です!
お問合せ先
奈良県香芝市今泉374-1
株式会社テック
セルフカーステーション香芝インターSS
tel 0745-78-6461
担当 ヤマサキ