久しぶりに整備ネタです

 

 日  付    ハイオク    レギュラー   軽   油 
6月7日 172円/ℓ 162円/ℓ 138円/ℓ
 

- もくじ -

 

 


◇ 仕事はしています

遊びネタばかりだと仕事をしているのか怪しまれてしまうので、久しぶりに整備ネタをUPしたいと思います。

 

とは言っても急に仕事ネタがある訳ではありませんから、今回は忙しそうにしていたサブマネの仕事を横取り代行したいとおもいます。

 

丁度リアライニングの交換作業が入っていたので、さっそく作業に取り掛かりましょう。

 

今回入庫したのはスズキ/エブリィです。

 

お仕事で使用されている車体で、走行距離もそれなりに走っているお車です。

 

お客様からは「ブレーキを踏むとリアから「キィー」という感じの音がするので調べて欲しい」というご依頼で入庫しました。

 

それでは、スズキ/エブリィのリアブレーキ交換作業、開始です!

 

 


◇ 部品の交換です

音鳴りの原因究明はサブマネが確認してくれていましたので、今回は交換作業からです。

 

それでは作業開始です。

 

まずは分解からですね。

今回はリアブレーキだけなのでリフトは使わずにジャッキUPして作業します。

 

勿論ジャッキUP中はリジット(馬)を掛けて作業していますのでご安心を。

タイヤを取り外してドラムカバーを取り外すとリアブレーキライニングにアクセスできます。

 

ブレーキダストが多いので、まずはエアーブローで簡単に清掃します。

綺麗になりましたね。

 

軽自動車や小型車はリアブレーキがドラム方式を採用していることが多く、大型車や高起動車はディスク方式になっていることが多いです。

 

大昔の軽自動車は前後共にドラム方式のブレーキを使用していましたが、現在はフロントにドラムを使用している車は見かけません。

 

大昔からあるブレーキ方式ですが、30年前と比べてもあまり変化はありませんので、システム的には信頼性の高いブレーキと言えます。

 

それでは分解していきましょう。

 

構造はフロント側ライニングとリア側ライニングに(車種によっては上側と下側)に分かれていています。

 

フロント側をリーディング側、リア側をトレーディング側と呼ぶ場合もあります。

 

ドラム式ブレーキの面白い所は、前進の場合は主に前側でブレーキが掛かり、後退する時は後ろ側が主に効く仕組みです。

 

通常、車は後退より前進の方が圧倒的に多いので、 ドラムブレーキの殆どが前のライニングが減っています。

 

それでは分解しましょう。

はい、分解できました。

 

写真のブレーキは左後輪なので向かって左側が進行方向のライニングです。

 

写真では判りにくいですが、右側のライニングの方が左のライニングより残厚が多いですね。

この写真は新旧ライニングを重ねて撮影しています。

 

下が新品、上に乗っているのが古いライニングですが、残厚の違いが判るでしょうか?

 

基本的に前後のライニングは同時交換ですが、前後で減り方が極端に変わる事もあるので、車種によっては前だけで部品供給されている事もあります。

後側のライニングはあまり減っていなかったので新旧の差が判りにくいですね。

 

少し勿体ないですが、今回は前後のライニングは同時交換します。

 

それでは組み立てましょう。

 

 


◇ 組立です

それでは組み立てです。

 

ブレーキライニングも基本的に分解の逆手順で組み立てればOKですが、逆手順でなくても組立できます。

 

先ずはワイヤーケーブルと連結させる後ろ側のライニングから組み立てます。

バックプレートには鳴き止めのグリスを塗っておきます。(白いのがグリスです)

 

後側のライニングにワイヤーを組み付けてからバックプレートに取り付けします。

 

ワイヤーはサイドブレーキワイヤーで、テコの原理でブレーキライニングを広げて駐車ブレーキを掛ける仕組みです。

 

次に前側のライニングを組み付けます。

先ずは自動調整の進角を戻します。

自動調整装置をライニングに組み付けてから・・・。

バックプレートに組み付けます。ココがライニング交換で一番厄介な作業です。

 

慣れるまでは組み付けに時間が掛かる作業で、不慣れなうちは組み付け後の状態がちゃんと合っているか不安になる事もあります。

 

まだ駆け出しの整備士だった頃は、リアブレーキの交換作業は左右同時に分解せず、最後の組み付けが合っているか比べながら組み付けたものです。

 

それに、車種によって大きく組み付け手順も変わってくるので、車種ごとに組み付け手順を覚えなければならない部分でもありますので、新人泣かせでもあります。

 

さて、これで組付けも終りましたので作業完了ですね!と言いたいトコロですが、実はもう少し作業が残っています。

 

 


◇ まとめ

それではリアブレーキライニング交換の最後の仕上げです。

 

フロントブレーキとリアブレーキの大きな違いは、多くの車種でリアブレーキに駐車ブレーキが併用されている事です。

 

つまり、駐車時に駐車ブレーキを掛けるとブレーキが効いているのは後輪だけと言う事になります。

 

前輪駆動車の場合はシフトをパーキングにする事で前輪も回らなくなりますが、後輪駆動車を駐車した場合は前輪はフリーになっています。

 

おっと、話がそれましたね。

 

リアライニングを交換する時は、駐車ブレーキの調整をリセットする必要があります。

 

調整リセットは先ほどの写真で説明した部品で行います。

コレですね。中央のギアになっている部品を締め付けると調整がリセットされます。

 

ただ、リセットした状態だと今度は駐車ブレーキが効かなくなってしまいます。

 

なので、ドラムブレーキを交換した時は、駐車ブレーキがちゃんと効くようにブレーキ調整が必要になります。

 

調整には少し変わった工具が必要になりますが、短めのマイナスドライバーなどでも代用可能です。

こんなのです。年季が入っていますね!

 

この工具を使って駐車ブレーキの遊びを調整していきます。

 

調整はココから。

バックプレートを後ろから見た状態です。

 

駐車ブレーキ調整用のサービスホールにめくら蓋がされているので、それを外してから調整します。

 

調整方法は車種ごとに決められていて、詳しくは整備書で確認します。

 

エブリィの場合は駐車ブレーキを3ノッチだけ掛けてから調整すれば丁度良いくらいになると思いますが、その辺りは好き嫌いがありますので調整幅は割と個人差が出ます。

 

さらに、ココをちゃんと調整しないとフットブレーキにも影響がでてしまうのでとても大切な調整です。

 

ちなみに、調整をしないとどうなるか?というと、ブレーキの効くタイミングが遅くなってしまうので追突事故の原因になる可能性があります。

 

見よう見まねでリアラインニングを交換してみたが、交換前より「ブレーキの効きが甘く感じる」なんて時は、駐車ブレーキの調整不足が考えられます。

 

それでは今回のまとめです。

 

今回はブレーキライニング交換を少しだけ掘り下げてみました。

 

掘り下げはしましたが、このブログをみて参考に出来るようなものではありませんので、交換はやはりプロにお任せください。

 

リアのドラムブレーキは基本的に自動調整になっていますが、ライニングの交換時は調整が必要です。

 

ただ、自動調整だからと言っても条件があります。

 

自動調整なら何時でも調整してくれていると思われがちですが、実は自動調整は駐車ブレーキを掛けた時にだけ調整されます。

 

注意点は、最近の車はオートマチック車ばかりなので、シフトレバーをパーキングにしておけば駐車ブレーキを使用しなくても車は駐車させることができます。

 

なので、「パーキングにしておけば駐車ブレーキは不要」と勘違いしている方も多かれ少なかれ居ます。

 

コレは大きな間違いで、この記事内でも説明した通り、駐車ブレーキとフットブレーキはお互い影響し合っています。

 

駐車ブレーキを使用しないと自動調整されませんので、結果的にフットブレーキが甘くなってしまいます。

 

フットブレーキが甘くなることは、追突事故の原因に直結する事になりますので、車を駐車する時は必ず駐車ブレーキも併用しましょう。

 

と言う事で、スズキ/エブリィのリアブレーキライニング交換、完了です!

 


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