オイル漏れ修理

 日  付    ハイオク    レギュラー   軽   油 
 3月6日 166円/ℓ 155円/ℓ 131円/ℓ
 

- もくじ -

 

 


◇ オイル漏れ

起きると困るトラブルで比較的多いのはエンジンオイルの滲み漏れです。

 

もし起きてしまったなら「まさか自分の車がオイル漏れなんて!」と誰しもが思う事でしょう。

 

しかし実際に起きてしまうとショックなのは間違いありません。

 

確かに車が新しいうちは滲み出る事はまずありませんが、経過年数とともに徐々に滲み出てくる傾向があるのがエンジンオイルです。

 

今回はそんなオイルの滲み漏れがしだしたダイハツ/アトレーのオイル漏れを修理しましたのでUPしてみます。

 

基本的にはオイルの漏れは決まったトコロから漏れますが、判断を誤ると修理が終わっても漏れが止まらない・・・なんて事もあります。

 

今回は典型的にそのパターンを踏んでしまったのでご紹介しましょう。

 

それではダイハツ/アトレーのオイル漏れ修理、開始です!

 

 


◇ タペットパッキン

車のエンジンでオイルが滲み出てしまう箇所は幾つかあります。

 

一つはパッキン類。

 

二つ目にオイルシール。

 

三つ目に付属部品取り付け部からの漏れ。

 

今回は一つ目のパッキンからの漏れが見て取れましたのでその部品を交換していきます。

 

まずは漏れ箇所を確定させるためにエンジンを調べると、どうやらタペットパッキンからオイルが滲み出ているようです。

 

タペットパッキンからの漏れは部品交換がひつようになりますので部品を発注。

 

翌日、部品が入荷しましたので早速タペットカバーを取り外してみます。

タペットカバーが取れました。

 

タペットカバーが無くなるとシリンダーヘッドの内部が丸見えですね。

 

このお車は年式と走行距離の割にタペット内は綺麗な状態で維持されていました。

 

エンジン内部を綺麗に維持する唯一の方法は、定期的なエンジンオイルの交換です。

 

良く見かけるケミカル品で「エンジン内のスラッジやカーボンを除去する」と謳っている商品がありますが、残念ながら市販品でそのような効果が得られる商品は見たことがありません。

 

もちろん市販されていないものでプロが使用する商品の中には本当にスラッジやカーボンを除去する製品はありますが、それでも部分的に綺麗に出来てもエンジンの細部まで綺麗に出来るモノは見たことがありません。

 

なので、タペットカバーを開けた時にカバー内部が綺麗な状態を保っている車は、比較的頻繁にエンジンオイルの交換を行っていた車と言う事になります。

 

今回のオイルの滲み漏れの原因と考えられるパッキンの状態を確認します。

まずはタペットカバーからパッキンを取り外します。

左が旧パッキン、右が新パッキンです。

 

新パッキンはゴムが柔らかいので形が整っていませんが、旧パッキンはゴムが固く変質しているため、タペットカバーから取り外してもタペットカバーの形を維持したままになっています。

 

ゴム製のタペットパッキンは石油製品である以上、少なからずエンジンオイルの影響を受けますし、エンジンの熱や経年劣化で硬化してしまいます。

 

さらに、写真のパッキンはプラグホール部分の薄い箇所が割れてしまいバラバラになるほど傷んでいました。

 

ゴムパッキンは硬化して柔軟性が無くなるとエンジンオイルが滲みやすくなってしまいますので、今回のオイル漏れの原因は凡そタペットパッキンと思われます。

 

と言う事で新しいパッキンをタペットカバーに取り付けます。

あとはコレをエンジンに組み付ければ作業完了です。

はい、完成しました!

 

と、通常ならここで作業完了となる筈でしたが・・・

 

後日、お客様から「まだ少し漏れているみたい」と連絡がありました。

 

 


◇ 別の漏れが発覚

さて、基本的にはタペットパッキンの交換でオイル漏れ修理は完了する予定だったのですが、後日、お客様からの連絡がありオイル漏れが治っていないとご指摘を受けました。

 

そこでもう一度詳しく調べてみると、どうやら吸気管の付け根辺りからオイルが滲んできている事が判明。

 

判明はしたのですが少々問題があります。

 

この車種は吸気管付近にオイルに絡むパッキンや部品はなかった筈。

 

もしかするとタペットパッキンから漏れていたオイルが何処かに溜まっていて、エンジンが暖まる事でジワジワ伝ってきているのかも知れないと考えましたが、どうやらそれもハズレっぽいです。

 

目視で確認できる箇所は全て確認しましたが本命が見つかりません。

 

何時までもそんな事はしてられないので思い切って吸気管を取り外してみました。

 

吸気管の取外しには、まず周辺パーツを外していきます。

 

途中、センサーのカプラーを抜くのに失敗し、カプラを割ってしまいました。

毎度の事ですが、トヨタ、ダイハツあるあるですね。

 

トヨタ車やダイハツ車は、登録から10年程経過すると、エンジンルーム内の黒色カプラーの脱着時に必ずと言って良いほどロックが割れてしまいます。

 

グレーや白色のカプラーは割れにくいのですが、どうしても黒色は割れてしまいます。

 

なのでこのカプラは予備を在庫しています。

右が旧カプラ、左が新カプラです。

 

配線の取外しは配線レイアウトを写メで撮影してからカプラをプライヤ等で握りつぶしてしまいます。

この時に配線を一緒に握り潰さないよう気を付けましょう。

 

一本づつロックを解除して配線を抜いても良いのですが、プライヤで握りつぶせば一瞬で配線が取り出せますので、態々配線は抜きません。

はい、新しいカプラになりました!簡単でしょ?

 

組み上げ時に配線のレイアウトを間違うと始動不良を起こしたりするので要注意ですね!

 

周辺パーツを取外し、ようやく吸気管が外れました。

やはり吸気管周りでオイルが漏れてきそうな所は見当たりませんね?

しかし、ポート周辺はオイルで濡れていますので、どこかしらに漏れがある筈です。

1番ポート周辺にもオイルで濡れていますね・・・。

とりあえず一度綺麗にしてみました。

 

これで漏れが解れば良いのですが・・・。

 

と、ココで気が付きました。

 

吸気管周辺にタペットパッキン以外に1カ所オイルが出てくる可能性がある場所を見つけました。

 

コレです。

 

油圧経路の一部ですが、吸気管のすぐ横に取り付けられていました。

 

取り外してみるとオイルが漏れないようにОリングが取り付けられていますが、このОリング、明らかに死んでいます。

 

これでは油圧が掛かればオイルが滲んで外に出る可能性があります。

 

店に在庫しているОリングを漁って良い感じのサイズのものがありましたので取り付けてみましょう。

お!これなら大丈夫そうですね?

 

と言う事で取り外した部品をエンジンに取付、吸気管やその他の取り外したパーツを組み立てます。

 

本当はオイルが漏れるか先にテストしてから組み付けたいのですが、テストをするにはある程度組み立てないとなりません。

 

なのでエンジンが掛けられるところまで組立てます。

はい、組み立て完了。

 

ココまで戻さないと漏れテストが出来ないなんて・・・。

 

これで治ってなかったら地獄ですね。

 

 


◇ まとめ

それでは今回のまとめです。

 

結果から言えば、漏れの原因は先ほどのОリングからのもので間違いありませんでした。

 

アトレーの場合は何も使用していない穴でしたが、違う車種になればココに油圧制御で動く他の部品が取り付けられるのかも知れません。

 

或いは単純に油圧経路なのかもしれませんし、組み立て時に内部加工をするための穴なのかもしれません。

 

修理後、数日経過してからお客様にお伺いを立ててみましたが、2回目の修理以降は漏れも止まっているそうなので安心しました。

 

基本的にエンジンオイルが漏れてくる場所は、タペットパッキン、クランクやカムのオイルシール、オイルエレメントのアタッチメントなど、大体この辺りを確認すれば発見しやすいです。

 

中には入り組んでいて漏れ箇所が発見しにくい場合もありますが、そうなると今回のように分解して確認するしかなさそうです。

 

今回はお粗末な結果になってしまいましたが、今度の糧になったことは間違いありません。

 

と言う事で、ダイハツ/アトレーのオイル漏れ修理、完了です!

 


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