冬のドラマが始まりましたが、「春になったら」を見なかったのですが評判が良いのでTVERで見ました。

 

ドラマは父と娘の話ですが、父は膵臓がんで余命3ヶ月であることを娘に告げます。

 

膵臓がんの5年生存は2~3%と低く、父は知人の治療の辛さを見ていたこともあり、治療を拒否することを選びます。

 

娘は「私の為に生きてよ。治療してよ」と言いますが、私はドラマを見て娘の気持ちはわかるけれど父の考えに寄り添って欲しいなと思いました。

 

私の母は膵臓がんで亡くなりました。

 

母の場合、ステージ2で奇跡的に手術が可能と言われました。

 

抗がん剤、放射線治療、手術が標準治療と言われ、医師が勧めるまま、治療をしました。

 

親戚にガンになった人はいますが、闘病についての知識はありませんでした。

 

父は脳卒中で10年近く寝たきりで最後は誤嚥性肺炎を繰り返し、胃ろう手術をする日に亡くなりました。

 

母は父が亡くなってから持病の自律神経失調症がひどくなり、糖尿病もありましたが、鬱っぽかったのが日ごとに元気になり本来の明るい母になりつつあった矢先、胃の痛みを訴え検査をしたところ、ガンがみつかりました。

 

外科の先生より手術を勧められ、「手術をすれば余命2年、しなければ余命半年ほど」と言われました。抗がん剤、放射線治療は辛いと聞いていたので、手術も治療も母にはして欲しくなかった。

 

「先生が母のような状況だと手術、治療はなさいますか?」と尋ねたところ、「膵臓がんは見つかった時点でほぼ手術は不可ですが、お母さんの場合、奇跡的に手術可能な場所にガンが見つかりました。私なら手術します」という先生の言葉で、母は「余命2年・・・あんたたち(私と妹)の為に生きたい」と治療を頑張ってくれました。

 

しかし、手術で腹膜播種がみつかり手術不可となり、退院して半年経たずに亡くなりました。

 

手術前にガンを小さくするために抗がん剤、放射線治療をして、手術前には覚えきれないほどのたくさんの検査をして、結局はガンの転移で手術できなかった。

 

放射線治療は週5日、ガン治療は週に2回の2クールだったかな。もう、よく覚えてません。

 

母は弱音を吐かなかったけれど、ほぼ毎日、電車に乗っての通院と治療で本当に辛そうだった。

 

手術できなかったことで今後について医師より説明があり、手術前よりも強い抗がん剤治療か治療しないかを言われたけれど、もう、母には抗がん剤治療をして欲しくなかったし、医師も勧めることはなかった。

 

結局手術出来なかったんだからこんなことなら、手術もがん治療も拒否して余命を待った方が母には良かったのにとつくづく思った。

 

ドラマの回数を重ねるごとに、ドラマの父、娘と自分を重ねて、母のことを思い出すんだろうな・・・

 

ドラマの父、娘が互いを思いやり、最終回は涙なしには見れないのだろうな・・・

 

初回でも涙、涙だったのでした。