漢方でエクソシストな状態はしばらく続いた。
プーの衰弱を見てきた私は、コダマがご飯を食べられなくならないように頑張って毎日漢方薬を飲ませた。
漢方薬のよいところは、前回飲み忘れた場合次にその量を足して飲んでもよいことだ。
しかし飲ませる量が増えるとそれだけ格闘時間が長くなるため、可能な限り毎日2回飲ませ続けた。
幸いその当時私も仕事で北京に出張することはなくなっていた(北京のメンバが日本に出張することが多くなっていたため)。


コダマはエイズを発症することもなく、引っ越し後の新居で外に出たいと騒ぐこともなく、穏やかな日々が過ぎていった。
本当に引っ越してよかったと思う。
コダマは16歳になっていた。
歳をとって腎不全の兆候が少し出てきたため、掲示板でErieさんに相談し、漢方の処方を腎不全用寄りに強化した。

私はそろそろコダマの最後をどう迎えるか考えなきゃと思っていた。
こういう考え方ができるようになったのは、苦しんで死んだプーのおかげだ。
プーの時は私もどうしてよいか分からず苦しんだ。
飼い主の自分がしっかりしないとコダマだって困るだろう。

・コダマがご飯を食べられなくなった場合、強制給餌はしない。
・エイズを発症したとしても獣医にはかからない(エイズを発症したらステロイドを投与されるのは必至だから)。
・可能な限り自然死を選ぶ


自然死がどういう状態を言うのか私にはまだ分からなかったが、そう心に決めた。
人間も今は病院で死ぬのがほとんどだ。
それが幸せなのかどうか、私には分からない。