2006年3月、12歳で尿毒症で死んだプーの話。
人が好きで八方美人で可愛い子だった。
当時のお隣一家がとても可愛がってくださった。
私は仕事が出張続きで忙しかったのでとてもありがたかった。
その当時はペットシッターの存在などほとんど知らなかったし、限られたお金持ちが頼むサービスだと思っていた。



プーには人間が食べるものも好きなだけ与えていた。

しょっぱいもの、味の濃いもの。 
なんと無知な飼い主だったことだろう。
プーの大好物は「かにかまぼこ」だった。
焼き鳥も大好きで、私が噛んだものを与えていた。
今書いていても馬鹿な自分にあきれる。
当然のことながらプーは早い時期に腎不全になってしまった。
猫は食事に気をつけていても年をとると腎臓が弱るものだが、プーの腎臓は一気に萎縮した。
獣医で週一回の輸液が始まり、食事は療法食のカリカリを砕いて水を加え、ミキサーでどろどろにしたものをシリンジで与えた。
あれだけ食いしん坊だったプーは食欲がなくなり、だけど食べさせなきゃ死んじゃう!と強制給餌にしたのだ。
無理矢理食べさせるからプーは吐いてしまう。
これでは虐待ではないか?と涙が出た。
プーは便秘ぎみになり「うーんうーん」と苦しそうにキバるのだが出てこない。
私が手伝ったり獣医で摘便してもらったりした。
食べること、出すこと。
この生きるのに一番重要なことができなくなっていた。
水の器の前で放心状態でたたずむプー。
おしっこの制御もできなくなり、ただただ水を見つめながらプーの足元にはおしっこの水たまりが広がっている。
私は絶望した。