漢方薬をコダマに飲ませることは、プーがステロイドでどんどん弱っていくのをなすすべなく見ていた私にとってあまり抵抗がなかった。
当時、ある漢方薬局とErieさんがタッグを組んで掲示板で相談に乗ってくれていたのだ。
Erieさん、お元気ですか?
Erieさんというのが個性的な面白い方で、ご自分の猫飼いとしての豊富な経験談を漫画にして公開していた。
ご自身も病気をかかえておられ、漢方薬の知識も豊富で、やはり経験に勝るものはないなーと感心したものだ。
とにかくコダマに免疫力をつけ、猫エイズを発症させないことを第一とした。
発症しなければ健康な猫と何も変わらないのだ(これは本当)。
ただし、絶対に室外に出さないことが条件である。
そしてワクチンも打たないと決めた。
ワクチン接種が引き金になってエイズを発症する場合があるからだ。


漢方薬の飲ませ方だが、ササヘルスという濃い液体に処方された漢方薬を溶かす。
ドロドロになったそれを、一日の量を3回に分けてシリンジで少しずつ猫の口端から入れてやるのだ。
私は働いている一人暮らしのため、朝と晩に2回で与えていた。
書くと簡単そうだが、実際はとても大変なことである。
まず漢方薬はまずい。
私も飲んでいたが(現在は体質が変わったのか下痢になるのでやめている)苦いし猫が好きな味ではない。
当然嫌がって暴れる。
プーにしていた強制給餌の嫌な思い出がよみがえり萎えそうになる。
そこをぐっとこらえてコダマをバスタオルでくるみ、私が膝をついて両足で固定しシリンジで素早く「チュッ」と口の中に入れる。
コダマは仕方なくゴックンする。

ササヘルスは濃い緑色の液体だ。
部屋中に飛び散るとまるでエクソシストの一場面のようだった。