先日児童福祉関連のweb研修があったんですが…
日本の児童福祉はやはりダメなことを再確認してしまいました。
政府のやることが現場を無視することばかりなので、本当にがっかりで。
結局は形だけ取り繕うような政策ばかり、そこに付随する問題点が全く見えていない。
それを押し付けられる側のことなんて全然考えてくれない。
子どもの最前の利益を1番に考えてくれない。
本当に必要なものは何なのか?を、現場の声からすくい上げようとはしてくれない。
そんなこの国でどうすればウェルビーイングに生きられるのだろうか…
登壇者の方はフランスで児童福祉の仕事をしていて、著書も読みましたが、やっぱり熱量が違うよね。児童福祉にかける思いが、現場だけじゃなくて政府からして違うよな、と思う。
↓この記事を読めばわかると思います。こういう制度だったら親は安心して子育てできますよね。
周りに頼れる親族がいなくても専門職がいつでも助けてくれる。家事も育児も手伝ってくれる。
困ることがあっても「困ったよ」と連絡すれば必ずなんとかしてくれるという体制が整っています。
日本でも保健師さんが訪問したり、家事ヘルパーさんを入れたりはできますが、ヘルパーはお金もかかるし、来ても週1ー2でやることも限定されてる。
それと基本、出産時の時点であまり問題のなさそうな家庭は放置されがちですね。
そのため、母が産後うつになったり…と状態が悪くなってから支援に入るから、立て直すのにすごく時間と労力がかかる。
人手が足りないので、子どもを虐待してしまうかもしれない心配がある家庭しか手厚く見られないんですよね…
フランスだと出産後、1日おき2日おきに支援者が来てくれるし費用も安いから誰でも使いやすい。母の様子の変化にも早期に気づいて医療に繋ぐことができるので、重篤なケースにはなりにくいというか、「重篤にはせない」という思いが支援者側に強いと感じます。
ちなみにソーシャルワーカーの数も日本の約20倍いるそうです。
上に書いたことにも繋がる話なんですが、日本は今、里親制度を充実させようとしてるんですね。
それで、乳児院や児童養護施設をだんだんなくそうとしてるんです。
ちょっと考えればわかることですが、日本は虐待が重篤化しやすい状態にあります。行政も児相も民間機関も人手不足でひと家庭ずつに手厚い支援ができないから。「予防支援」がとても薄いんですよ。
そういう中で保護される子の多くは被虐待児なわけであり、しかも日本は「このままだと命の危険がある」「親に子育ての意欲や能力がほとんどない」という状況か、自分で逃げて助けを求めてきた子じゃないとなかなか保護しないので、子どもはかなり心身共に傷ついた状態にあります。
その子たちを一般家庭で養育する…って、できそうですかね??
大抵のご家庭は「難しいと思う」って言うと思うんですよね…
実際に「里親不調」といって、里親家庭でうまくいかなくて施設入所になる子って結構いるんです。
子どもは、実の親に捨てられ、里親にも捨てられ…で、2重の喪失を経験することになります。3重の子だっています。
私たち専門職だって大変なことが多々ある被虐待児の養育を、政府は里親さんにどうやってやってもらうつもりなんでしょうか…
それこそソーシャルワーカーが多数いて、家庭が安定するまでは週の半分ぐらいは家庭に入って家事育児の手伝いを行い、安定後も継続して子どもと親の相談役、関係調整役として機能する…ができれば、推進するのも良いとは思いますけどね。
「おうちに帰りたい、ママとパパに会いたい」
って、言うんですよ。
里親さんのこと、ほんとの親だって思ってて、会いたいって。
養育できなくなった事情があるにせよ、子どもにしてみれば、意味わからないですよね…
なんで会えないの?なんで?って、ずっと思いますよね。で、説明を理解できる年齢になったらなったで、また傷つく。
里親に預けるなら、里親不調には絶対にさせないでほしい。里親さんも「しない」覚悟を持って欲しいし、支援者側も「させない」という覚悟で、支援しなきゃいけないと思う。
それ以前に、できるだけ実親が子どもを手放さず、健やかに養育できる体制づくりをしなきゃいけない。
その支援に政府は全力を注ぐべきだと、私は思う。
我が家の話になりますが、2年前から社会的養護で生活している子どもに一般家庭で過ごす経験をしてもらうという児童福祉制度に登録していて、やっと受け入れ児童が決まりそうです。
コロナがあったせいで、登録したはいいけどなかなかお話が来なくって。
前も書いたことありますが、施設にいる子は親や親族との面会がある子とない子でかなり格差が出てしまう。
親や親族と出かけたり物を買ってもらったり、自宅に泊まってくる子もいれば、そういうことが全くない子もいる。
養護職員時代は「そりゃ羨ましいよね…悲しくなるよね…」っていつも感じていたので、その格差を少しで減らしたかった。
それが可能なのがこの制度です。
日帰りだったり宿泊だったりで子どもを預かって、一緒に過ごす。まぁ祖父母とか親戚の叔父叔母みたいな感じというか。
でも、私が意識しているのは、施設ではなかなか叶わない、「あなただけを見る、あなただけを大切にする、そんな大人と過ごす日」ということ。
うちに来た子には、あなたが大切、あなたは愛されていると、伝え続けていきたい。
そして、「ぼくだって、わたしだって、行く場所があるもん!」って胸を張れる、子どものそういう居場所になりたいな、と思ってます。
ウェルビーイングのために、やれることから、やっていかないとね。