ユヴァル・ノア・ハラリ 著の「サピエンス全史」は多くの方が読んでいるのではないかと思う。もし、まだ読んでないのであれば、是非お勧めしたい。たとえば、農業革命により人類は土地に縛られ長時間労働を強いられたというのは刮目の知見であり、現代の我々がIT革命で昼夜を問わず労働ができるようになってしまっているのを見るに、昔と変わってないなと実感させられる。実は狩猟時代が労働時間的にはユートピアだったのかもしれないのだ。もちろん、医療や戦争などトータルで考えると、はるかに良い時代になってはいるが。

 

そんな数ある歴史からの洞察のなかでも、うなってしまったのがローマ帝国の崩壊の話。ローマ帝国は領土を拡張し異民族を次々と併合していったわけだが、それにより、異民族が帝国内での平等な地位を求め、異民族が中心となる政治体制になり、それに対して従来のローマの民が不満を持ち、帝国の崩壊に向かっていったという話が示唆に富んでいると思った。この歴史を知って、米国のトランプ現象を想起しないだろうか。IT革命でWorld Flatな時代になりパックスアメリカーナはゆるぎないものに見えたが、ドナルド・トランプのような人物を米国が大統領として擁するというのは、まさにアメリカにとっての異民族(自由貿易とIT革命により利益を得ている米国以外の国々)が利益を享受して自分たちが不利益を被っているという不満が爆発しているわけで、このローマ帝国の話の現代版という気がする。

 

今後の世界が、ローマ帝国の崩壊と同じ結末を迎えて大混乱に陥らないことを願うばかりである。