紙の本をめったに買わなくなってかなりの年月が経つ。

 

雑誌は定額サービスで十分。書籍も電子本にすれば、タブレットでいつでもどこでも読めるし、重いものを持ち歩くということもない。それどころか、大量の本を常に持って歩けるのは素晴らしい体験だと思う。

 

とはいえ、問題もある。一つは一覧性と整理の問題。これらは表裏一体の関係にある。自分は、Sony readerを使っているが、iOSアプリにはフォルダ機能がなく、Androidアプリにはあるがその情報はローカルで端末間で共有できない。ということで、実質上フォルダ機能はないに等しい。電子本が多くなると、このフォルダ機能は必須だと思う。現実の本棚では、大きな空間で全体を見通せるし、似たものやシリーズものを同じような場所に並べると思う。これにより、自分の蔵書の一覧性と整理を担保できている。実本棚に比べるとただでさえ狭い画面内の本棚メタファーでは、この一覧性と整理の課題をまったく解くことができていない。これは早急になんとかしてほしい機能である。

 

あと、プラットフォームをまたがっての可搬性だ。紙の書籍は自分のものでどこへでも持っていけるが、電子本は自分が使っているプラットフォームから別のプラットフォームへ移動できない。電子本が紙本に比べて半値とか安く売られていて、そういう制限があるというなら、まだ納得もできるかもしれないが、現状両者はほぼ同じ値段だ。この辺の問題を電子本プラットフォーマーはどう考えているのだろうか。

 

最後に、最近著者と会う機会があったが、電子本で持っているので、著者のサインをもらえないことに気が付いた。スタイラス対応だと著者サインが書き込めるというようなのがあってもいいんじゃないかと思った。