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ご婦人
「知ってるよ
親戚付き合いをしないように
強要されている
ひどい嫁いびりに
あっているのも知っているよ
私たちが家の中に入ったら
貴女が叱られる
本当にあの子（義母）
昔から心がひん曲がってるの
家には入らないから安心して
偶然、会った事も
あの子（義母）には
言わなくて良いからね
私たちは
貴女を応援しているの
こんなに子ども達の世話をして
一人で頑張っている様子も
知っているから」
私は嬉しくて泣いた
ご婦人
「本当に色んな所からね
貴女達夫婦の話も
聞こえてくるものなのよ
世間様は
ちゃんと見てくれているものよ」
ご婦人は優しい笑顔を
向けてくれた
ご主人
「これから雨が本降りになるから
早く帰ろうね」
優しく
子ども達に声をかけてくれた
子ども達を大切そうに
手を繋いで
ゆっくり歩いてくれた
身内の中で
子ども達の歩くペースに
合わせて歩いてくれる大人が
居たことに感動した
義父母や夫は
決して子ども達の歩幅に合わせない
子ども達を
引きずるように
無理に歩かせる人達
ご夫婦とは
日常の何の会話も出来なかった
ご夫婦も
何も聞いて来なかった
ありがたい沈黙に感謝した
無事に家に着いた
子ども達
「ありがとう！
バイバーイ
またね〜」
私
「何のお構いもできずに」
ご夫婦
「良いの、良いの
貴女に会えて嬉しいのよ
私たちは
もう時間を持て余しているから
暇人なのよ
こちらこそ
ありがとうね
元気でね」
そう言うと
雨が本降りの中
ご夫妻は駅に戻って行った
嫁いびりの事も
どこからか知れ渡り
理解してくれていた
遠くから
私たちを
見てくれていた親戚には
感謝しかなかった
【最後まで読んでくれてありがとう！】
