『出会い喫茶』今では都内のあちこちにあるそこは、昨日迄知らない男と女達がある種の目的をそれぞれに求め
そして彷徨う東京砂漠の中に在る隠れた教会の様な場所だ。
形はどうあれ、理由はどうあれ
誰もが皆、現実から逃げてそこに辿り付いてしまう。
僕もそうだった
その日僕はロリータのカリスマと言われるアーティストのライブに行き、憤りのない焦燥感を抱えたまま渋谷から池袋に向かう山手線にいた。
だからあの夜
あの街で彼女に出会ったのは偶然が沢山重なった一つの結果でもあったんだ。
彼女の名はMAIちゃん(仮名)、九州から東京に出て来た19歳の女のコ。
彼女と初めて出会ったのは都内のある出会い喫茶だった
『ヴィジュアル系だよね』
ピースナウのブラウスを着た僕に
彼女が言った
『カメラマンだよ』と嘘を付いた僕に
『ふーん、そうなんだ』
と
僕の嘘に気付いてたのに
彼女は笑ってくれてた
それが僕と彼女の
初めての出会いだったんだ
(後編に続く)