サーフトレーディングよりコング鈴木3ヶ月間の乗り込み報告 | TEARSからお届け!!

サーフトレーディングよりコング鈴木3ヶ月間の乗り込み報告

FALCON SLALOM」と「RAM F10

コング鈴木3ヶ月間の乗り込み報告



 ファナティックのスラロームボードFALCON SLALOM」とノースセイルの2ndレースセイル「RAM F10」。発表されて3ヶ月以上時間が経ち、コング鈴木をはじめ、レーサーたちは国内での乗り込みが、実戦投入を含めて、勢力的に進められてきた。今回はカタログ的レポートではなく、実際に乗り込まれた結果のリアルな報告をここにお届けしよう。



FALCON SLALOMのリフト感とターン特性は、一般セイラーにも優しい

秀逸のバランスで作り上げられている



SURF TRADINGのW.S.F.情報


 スピードを競うスラロームボードは走りだしからのリフトがとても素早い。言ってみれば優れたリフトはスラロームボードの生命線とも言える。そして市販されている各社のスラロームボードにはそのブランドごとの特徴が存在し、それは大きく3つのタイプに分類できる。

 ひとつが強めのノーズの浮き上がりが先行し、そこから全体がリフトしていくタイプで、これは乗りこなすのに技術が必要だが、乗りこなせれば高いスピードを生み出し、スラロームらしい醍醐味が味わえるというもの。

 もう一つがやや水面に張り付くようなところから全体がリフトしていくタイプで、これは乗りにくさはそれほど感じないものの、爆発力も感じにくく、時に完全なリフトに至っていない状態でも、自覚なく走ってしまうという面も持つ。

 そしてもう一つがその中間のタイプで、爆発力も感じながらも扱いやすく、最もバランスの良いリフトといえる。

 最新のFALCONは、この3番目のタイプに属している言えるだろう。昨年モデルが1番目のタイプに近かったが、今年のモデルは乗り込めば乗り込むほど、本当にちょうど良いリフトの特性を持っている。スラロームの醍醐味と乗り手にストレスをかけない扱いやすさを見事に両立させている。

 スラロームボードでもうひとつポイントになるのがターン特性だが、最新のFALCONはそのターン特性も秀逸だ。テイルの薄めのレイル形状が活きている。ウェイブボード的なテーパーが、乗り手に優しく、自在のターンを可能にしている。

 言ってみればそれはトップスピードからでもフリーレースボードに近い感覚でターンに入ることが可能で、行きたいところ、曲がりたい方向に自然にボードが向いていってくれる、そんな感覚があるのだ。そしてターンセクションを抜けるとフリーレース的な感覚からすぐにスラロームに戻っていく。

 このようにリフトにしてもターンにしても、最新のFALCONは非常に完成度が高く、バランスの良さが際立ったスラロームボードだという評価は、乗り込んでも変わらなかった。



RAM F 10は広いスイートスポットを誇る

最強のセカンドレースセイル



 
SURF TRADINGのW.S.F.情報
ノースセイルには「WARP F 2009」という完全なレースセイルが存在し、
RAM F10」は俗に言う“セカンドレースセイル”に属するモデルだが、PWAのトップレーサーも含めて、「RAM F10」をレースセイルとして使用するレーサーも多数存在する。それほど「RAM F10」はそのポテンシャルが高く、数あるこのジャンルのセイルの中でも最強の“セカンドレースセイル”と称しても決して過言ではないだろう。

 だから、レーシングスラロームボードのFALCON SLALOMとのコンビネーションを考えた時に、一般ユーザーが対象ならば、ハイパーレーシングセイルの「WARP F 2009」よりも、遜色ない性能を備えながらも、ユーザーフレンドリーで一般のレーサーが使いやすい「RAM F10」とのセットの方がオススメだ。

 「RAM F 10」をこれまで乗り込んできて、強烈に感じ、ぜひ伝えたいことがある。それは一つのエリアがカバーできる風域がとても広いということ。つまりアンダーからオーバーまで、適応風域=スイートスポットが広いのだ。このことは多少セイルエリアの選択やコンディションの読みをミスしても、セイルがカバーしてくれるということであり、さらに、揃えるセイルエリアの数もコンパクトにすることができるのだ。

 レーサーは、早く走るために、あるいは戦いに勝つために、どうしてもどんなコンディションでも最高の走りを求め、その結果、セイルならば細かくエリアを揃えておきたくなるもの。しかし「RAM F10」はスイートスポットが広いためにその呪縛から解放される。ラージ、ミディアム、スモールと3つのエリアがあれば、ほぼカバーできると考えてもらっていいだろう。これにボードサイズとの組み合わせを考えれば、問題なくたいていのコンディションに対応可能なのである。

 話が少し逸れるが、今、PWAのレーシングルールは6セイル・3ボードの「シックススリー」というレギュレーションで行われている。セイルにしろ、ボードにしろ基本的には大・中・小という3つの大きさを想定し、ボードはそのまま大・中・小の3本、セイルは大・中・小それぞれに2エリアずつの計6エリアと考えられている。この「大・中・小」はレースに限らず、そのままウインドサーフィンのギアラインナップを考える上での基本的な考え方だ。だからそれがレギュレーションになっているというのも極めて自然な成り行きなのだ。

 話を元に戻すと、そうはいっても6エリア揃えるのは一般セイラーにとっては大変なこと。しかし3エリアになると極めて現実的になる。だから、セイルが広いスイートスポットを持つことはとても重要なファクターであり、ノースセイルはそのシックススリーの考え方をはじめから想定して設計開発しているから、この広いスイートスポットをセカンドレースセイルにおいて実現できたと言えるだろう。



乗り込んだ末に導き出したボードとセイルのマッチング表

これを知ればもう何も怖いもののはない



 以下の表は、乗り込んだ末に作り上げた「FALCON SLALOM」と「RAM F10」のサイズ別のマッチング一覧表である。◎はEXCELLENT=相性抜群、○はGOOD=相性良好ということで、これを見ればどんなセットを使えばいいのか、判断する目安になるだろう。また、セイルやボードのラインナップを考えるときの参考としても使ってほしい。また、同時にふさわしいフィンサイズも入っている。

 「FALCON SLALOM」と「RAM F10」という優れたギアのポテンシャルを、あなたもこれを参考に、フルに引き出して堪能してほしい。



SURF TRADINGのW.S.F.情報