それからというもの
それまで以上に
仕事に打ち込むようになった
過去を全て水に流すように
ただただ毎日仕事に没頭した
そんな頑張りのせいか
お陰様で仕事は右肩上がり
業績も好調だった
そんかなか
仕事先で出会ったのがGだった
彼はかなり歳上の妻帯者
その頃の私は
仕事だけの日々
周りはみんな結婚し
時間も休みも合わない
孤独だった
彼と一緒に居ると全てを
忘れられるようで楽しかった
ほどなくお付き合いが始まった
けれど妻帯者
子供が成人したら別れる
そんな常套句‥
Gは彼なりに
連休は旅行に連れてってくれたり
大切にしてくれた
けれど私の中で
日曜日の切なさ‥
周りを見るとみな幸せそうで
いつも1番ではない
そんな淋しさが募っていく
自分でもわかっていた
父親の愛情を知らない私
彼に求めていたのは父性だった
そんなとき彼の奥さんに
癌が見つかった
人の不幸の上に自分の幸せなんてない
やっぱり私らしくない
別れよう
そう決心した