久しぶりの読書感想文です(笑)
本を読んでいなかったわけではないのですが、
こうしてこれ読んだんだ~って話をするまでの労力が・・・(笑)
何かの感想を書くというのはなかなか大変ですよね。
さて、今回読んだ本の中からやっとこさ紹介する本はこちら。
金曜のバカ 著:越谷オサム 出版:角川文庫
- 金曜のバカ (角川文庫)/角川書店(角川グループパブリッシング)
- ¥540
- Amazon.co.jp
バカ。非常に痛烈かつ下品な言葉であるが、この言葉がぴったりな人たちがいる。
ただ間違えてはいけない。
勉強ができないからバカ。
仕事ができないからバカ。
そういう話ではないのだ。
不器用だけど一途ゆえにバカ。
自分のことを信じているゆえにバカ。
そんな愛すべきおばかさんたちに焦点を当てた短編小説です。
ほっこりとしたい、キュンとしたい、そんなときにはぴったりな一冊です。
が、正直なところバカを集めたというにはちょっと物足りない感じはします。
確かに金曜のバカに出てくる主人公は非常に愛すべきバカである。
パワフルな女子校生と気弱なフリーターストーカーの週に一度の奇妙な逢瀬を
バカバカしく描いています。
ほかに収録されている作品については、金曜のバカと別作品として考えれば面白い作品だと思えるものばかりでした。
個人的には、流星群が観測できる夜に偶然出会った男女が星を見ながらお互いの話をしていく甘い甘い青春が描かれた「星とミルクティー」のようなファンタジーなんてもっと読みたいと思えたほどです。
でも、少なくともこの作品にはバカはいない。
確かに天体観測バカかもしれないけれど、金曜のバカのそれとは次元が大きく違う。
かと思いきや
「この町」のような田舎の高校生が都会を夢見るという、ちょっと恥ずかしい感じのバカな作品が続いたりする。
僕としてはもっと振り切ったバカを期待してしまったので後半の失速率は激しかったわけです。
かわいい高校生くらいの男女を描いた、一種の恋愛小説としてみれば全然違和感はなかったのでしょうが・・・
謳い文句やタイトルというのはなかなか力がある、メッセージ性が強いというのを強く感じてしまう作品でした。
ただ、しつこいかもしれませんが、
金曜のバカは面白いです。
ふぅ・・・
ど阿呆な男は愛すべき馬鹿を応援しています。