- グラン・トリノ [DVD]/クリント・イーストウッド,ビー・バン,アーニー・ハー
- ¥3,980
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あらすじ
自動車工で働き続けたウォルトは、妻に先立たれて犬と一緒に隠居暮らしをしていた。頑固気質ゆえに息子たちには嫌われ神父をも拒んでいた。あるときギャングにそそのかされた隣人のタオがウォルトの愛車グラン・トリノを盗もうとするが失敗に終わり、その代償としてタオの家族はウォルトの身の回りの世話をするようによこした。はじめは拒んでいたウォルトだが、スーやタオと接するうちに彼らを認め大切な友達となっていった。しかしこれを面白く思わないギャングがタオとスーに手を出した。自分のふがいなさを責めたウォルトは一矢報いようと策を練るのであったが…。
よく考えたら僕が好きになる作品である。
ヘンクツじいさんと若者のヒューマンストーリー、僕の大好物である。
ストーリーも真っ直ぐで頭を働かせることなく感情で読むことが出来ます。
このタイプの話はヘンクツじいさんが心を通わすきっかけというものが必ずあるのですが、今回は車でした。
この作品の題名にもなっているグラン・トリノは車名だったんですね。
題名にするだけあってあの車の存在感はすごいです。
正直映画に出てくる日本車がかっこ悪く見えるほどです。
僕はあまりアメ車って好きじゃない。あのシャキーンって感じのフォルムがキザっぽくて。
でもこの映画を見てしまうとアメ車も悪くないよなって思えます。特典映像ではアメ車についてスタッフたちが語るのですが、そうそう、そうなんだよねと頷きたくなる。
そういえば先日車離れの話をテレビでやっていて、フェラーリ等の高級車を知らないという若者も多いのだとか。
僕も数年前までさっぱりだったのですが、車が欲しいと思うようになったら自然と外国車についても知るようになるものですね。まぁ、そういいながら僕が欲しいのはミラジーノっていうね…
やっぱり高級車って欲しいとは思わないんだよなぁ。
でも確かにアメ車には特別な魅力があるようす。実車はいらないけれどプラモデルでなら欲しいと思いますもの。
おっと、話がそれました。
この物語にはタオというアジア系の少年が出てきます。アメリカ生まれということで英語はばっちりな彼ですが、非常に気弱な性格でそのためいとこに絡まれちゃってあわわわわって話になっていきます。
気弱というか、おそらく目標に出来るものがなかったのでしょうね。
何がしたいのか、どうしたいのか目的もなく優しい姉に促されるままに生きてしまっている。そんなときに出会ったのがウォルトで、タオがぶっきらぼうながらもウォルトに感謝していく様子はもうスー(姉)の気持ちになって応援したくなります。
終盤は痛々しい場面、苦しい場面もあり、ラストはウォルトがどのような判断をするのかハラハラしながら見てしまいました。
そして終焉。
これが答えなんだと、今の、戦争を経験したウォルトだからこその答えなんだと思うと涙が止まりませんでした。
よくやった、よくやってくれたウォルト、いや、クリント・イーストウッド。
ウォルトの暖かさを知り、微笑ましさを知り、狂気を知り、温もりを感じる。そうしてウォルトを好きになる。
これを見終わった後、なんとなく僕が老人と少年の物語が好きな理由がわかった気がします。
じいさんは少年に 男はこうだ、こうでなくてはならないと体で示してくれます。
おばあさんは少女に 女性はこうだ、こうであってほしいと言葉で示してくれます。
その自分が体験してきたものを人生の答えとして次の世代へ受け渡すその力強さが好きなんじゃなかろうか。
人生の重みって馬鹿に出来ないなと、そんな気がします。
ふぅ…
おすすめって言葉は重すぎて使いづらいのですが、
これはおすすめです。
残念ながら僕の筆では魅力を伝えきれないので、ぜひまだ見ていない方はご覧あれ。