
[ 散歩をしに行くならどこ? ]
お財布だけを持って、東京駅を目指す。
するすると流れる都市のビル群には目もくれず、歩みは速まるばかり。
そして手にする広島行きの特急券。
思いつきで家を飛び出し
思いつきで行き先を決め
思いつきで新幹線に乗る
広島に着いたのは夜。
駅を降りてひたすら歩く。なれない道をただひたすら。
そしてたどり着いた先は、、、
真っ黒にたたずむ海だった。
大きな月がふたつ昇り、そっと声が響く。
どこへ行こうとも同じ。
どこへたどり着こうとも同じ。
そこに違いが無いのは、君のココロがここに無いからだ。
…そこで目が覚めるわけです。
といっても、目が覚めているわけではなく、これが夢だと気がついたということ。
せっかく夢で広島まで出かけたのだから観光でも…と思ったのですが外は暗いし、宿はない。
ついでに言えばお金もない。
あぁ夢なのに、なんてやるせないのだろう。
ましてや夢の中で教訓めいたことを言われる始末。
せめてもみじ饅頭だけは買ってかえったる!!
と駅の売店でもみじ饅頭を選んでいるときに、自分の見ている夢のなんとも不毛なものに嫌気が差して強制終了。
でも、休日にふと思い立って遠くの方まで散歩できたら、どんなに楽しいだろうか。
ふぅ…
僕は川沿いに住んでいまして、休日ともなると野球少年たちの声が朝から聞こえてきます。
今日はポカポカとした陽気の日曜日。散歩日和でしたね。
課題に押しつぶされながらコンビニへ出かけると、横に広がるのは
河川敷でキャッチボールをする家族、ご飯を広げている家族、野球の練習をしている少年野球団、ぽてぽてと歩く犬。
こんな景色を見るとふと感じるのは、もしかしてこんな景色は東京にしかないんじゃないかと思わせます。
少なくとも僕の地元ではきっと見られない光景かなぁ。
案外東京のような首都圏は自然が少ない分、人工的な緑をたくさん作ってありますからね。
例え川べりの河川敷だろうともそれなりに舗装されて、十分すぎるほどの大きさを備えています。
公園だって大きくて立派なものばかり。
もしかしたら地方の人間よりも緑と遊んでいるのかもしれませんね。
そんなことを考えながらコンビニでお昼を買ってパソコンに向かうというこの生活。
あぁ……もみじ饅頭ーーーーー!!!!!!!