[ おばぁちゃんに聞いてみよう ]
先日熱海のおばぁちゃん家に行って来たことを書きましたが、
今回はおじいちゃんの話。
僕のおじいちゃんは父方、母方のどちらも亡くなっています。
どちらのおじいちゃんも僕の中ではパンチがあったので書かせてもらおうかと…
熱海のおじいちゃん。
クリーニング屋。 タバコ。 戦争自慢。
おじいちゃん家はクリーニング屋で、おじいちゃんは亡くなる直前までバリバリ仕事してました。
だから町でクリーニング屋のあの独特のにおいを嗅ぐとおじいちゃん家を思い出させます。
休憩時間は外の坂道でしっかりバランスを取りながらしゃがみこみ、缶コーヒーを片手にタバコを吸って休憩する姿は、普段のおちゃらけたおじいちゃんとは違いどこか渋さすら感じました。
だいたい普段のおじいちゃんは
「俺の入れ歯入れてみるか？頑丈だぞ」
なんて言っておちゃらけてばっかでしたから。
で、缶コーヒー飲みながら僕に戦争の話をしてくれたことがあります。
しかも熱海に行って、この状況に出会うたびに。
このときは妙に神妙な顔つきで話すのです。
おじいちゃんは看護班にいたため、バンバン鉄砲撃っていたわけではないらしい。
そんなおじいちゃんの自慢が鉄砲に打たれた痕。
外に出たとき、流れ弾に当たったらしいのです。
妙に生々しい弾痕を見せ
「これぞ名誉の負傷だ！！！」
なんて言ってました。。。が…
おじいちゃんの名誉ってなんだったのだろう？
どんな名誉の負傷だったのだろう？
いやいや、戦場で戦った名誉の負傷なのだろう。
おじいちゃんは立派に戦ったのだ。
決して…そう決して気づいたら流れ弾に当たったのではない…
あれ？と思ったら血を流していたわけではないのだ…
でも。。。看護班が怪我しちゃうとは……
おっと、写真のおじいちゃんがこちらをにらんでいます。。。
ごめんよ。 (°д°；)
そうさ、おじいちゃんは立派に戦ったんだ。
新潟のおじいちゃん。
おじいちゃんはどちらかというと寡黙で、あまりしゃべらなかった。
だからおじいちゃんと話したこともあまりないけど
そんなおじいちゃんとの出来事。
特に長期休みだから行くってこともなく、あまり顔を出せなかった新潟。
でもおじいちゃんが入院た年、元気になったと聞き遅めの退院祝いへ。
そのとき新潟の古い家（父が子供の頃住んでいた）へ行ってきました。
そこはえらく山の中で、登っても登ってもつかないような場所。
やっとの想いで到着すると見事に古い！
ちょっと触ったら壊れそうな建物だったけど、さすが雪国の家。
見た目以上に頑丈です。
で、話を聞くとあたり一面見える範囲の山がおじいちゃんの山だとか…
おじいちゃんすごいじゃん！！！！！
おじいちゃんが山の中を歩き出した後を何気なく着いて行ったら
まぁものすんごい速さで歩くから困惑。
しかもグングン進むからさらに困惑。
小学生にしてみたら弱っていたおじいちゃんが山に入ってあまりにも急激な変化をとげたためとにかく困惑。
でもホントこのときはすごく生き生きしていて、
道のない道を行くおじいちゃんの後姿がおじいちゃんではなく、
なんだか普段の何十倍も力強く見えました。
広大な敷地をあっちへうろうろこっちへうろうろ…
帰り道大丈夫なんだろうか。ということだけが気になっておじいちゃんに
「戻った方がいいよ」 「平気？」 「みんな心配するんじゃない？」
なんていいながらそれでも引き返すわけにも行かず、
半分泣きっ面になるといつの間にか皆の後ろへ出てきました。
「あひるが心配するから半分でやめたよ」
と笑いながら一言。
父も「俺より知ってるんだから平気だよ。」
「ボケても迷わないで帰ってくるさ」 だって。
これ以来新潟へ行くと笑い話として必ず挙がる話題になっちゃいました。
その後おじいちゃんは少し元気になり、「あとわずかです。」
なんて言われてからかなり生きました。
山に登ったのはホント久々だったらしく、山の中を歩き回ってだいぶよくなったんじゃないかなんて話をしてました。
そう考えると、もう少しおじいちゃんを歩かせれば。。。
なんて思うこともある。
おじいちゃんごめんよ。 (w＿－；
でもおじいちゃん。。。あれでも結構歩いていたよ。。。
それに急に元気にのびのびしたら子供は妙に焦るって！！
何かの兆候かと思っちゃうって！！！
どちらのおじいちゃんもどこか抜けていて、
ひょうきんなおじいちゃん。
新潟のおじいちゃんの赤いちゃんちゃんこ姿は今でも忘れられないほどキュートでした。
あんな風に、どこか憎めない、ひょうきんな面を持ちつつ
たまにバシッと渋さを出せる男が80過ぎた男の姿だということを学んだ気がします。
ふぅ…
しかし一番パンチが効いたのはやっぱ
熱海のおばぁちゃんのタバコくわえながら料理する姿かな？
