日を遡りまして、竈門神社の後は、九州国立博物館へ行って来ました。

 

今回の展示は、「桃山展 大航海時代の日本美術」。

最近、安土桃山時代から江戸初期の歴史を勉強しなおした私には、ちょっと新鮮な目での見学でした。

世の君主は、織田信長から豊臣秀吉、徳川家康へと変遷します。

 

戦乱の世も一段落し、茶や能を嗜むゆとりが生まれたこの時代にやってきたポルトガル人。

 

狭い日本の中で縄張り争いをしていた天下人たちの知る外国のイメージは中国や朝鮮だったのに、いきなり世界はもっと広く地球は丸いと知らされることになります。

当時の和洋イメージを描いた屏風絵を見ると、そのはしゃぎぶりが伝わってきました。

「わ~お!世界ってこんなに広かったんだ!」

 

舶来品の物珍しさに狂喜したこの時代。

信長はキリスト教にも寛容で、以後宣教師たちはじわじわと日本国内で江戸時代初期まで布教を続け、信者を増やしていくのです。

しかし、よ~く考えてみると。

これ、ヨーロッパで侵攻したキリスト教文化の常套手段ですよね

まずは宣教師を送り信者を増やして土地の人間を味方につけたところで武器を供給し、植民地化する・・・

日本は当初、寛容にキリスト教の布教を見守っていましたが

逆にキリスト教というのは本来、多神教を受け入れないのです。

エジプト神やギリシャ多神教等他国宗教の行方を考えると、あのままもし鎖国をせず布教を認め続けていたら日本の八百万の神やそれに伴う文化は今頃どうなっていたか。

 

当時、鎖国を行っていたのは日本だけではなく東アジアの国々の多くも同様でしたが

西洋文化の恩恵だけ交易し、自国の宗教を守り内乱を防ぐ

徳川幕府はなかなか上手くやってくれたものです。

現代技術と違って、西洋の国々にとっても遠い日本への侵攻大変な労力でしたから内側からの協力なくして力任せに植民地化するのは困難だったのではないかと。

 

今の日本では宗教の自由が憲法で保障され、私自身も日用品をネットで個人輸入をする生活、注文すれば1週間もせず届きます。

 

こういう現代生活に至るまでの大事な転換点のひとつはこの大航海時代にあったのではないかと、改めて感慨深く思いました。

 

今回も、九州国立博物館から写真の提供を受けております。

 

 

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