最近の読書はゲーテ祭り。
最終的にはファウストを読みたいんだけど、理解するのが難しそうなので、登竜門として「ゲーテ詩集」、そしてエッカーマンの「ゲーテとの対話」から読むことに…。
「ゲーテとの対話」、思ってたより長い(泣)
まだ上の三分の一くらいしか読めてないんだけど、含蓄深い言葉が幾つも出てくるので、こまめに記録しておかないと忘れてしまいそうだ。
なので備忘録。
まずはゲーテ詩集より。
(ちょいちょい挟んでる赤字は私の呟き。)
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詩人は沈黙することを好まない。
あまたの人々に自分を見せようとする。
賞賛と非難とは覚悟の前だ!
(中略)
老いも若さも、
あやまちも徳も、
歌ともなれば、捨てがたく見える。
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いいな~詩人って。
どんな感情も行為も詩によって芸術に高めてしまえるなんて…。
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人間は気高くあれ、情け深く優しくあれ!
そのことだけが、
我らの知ってる一切のものと人間とを区別する。
(略)
自然は無感覚なり
太陽は善をも悪をも照らし、
月と星は
罪人にもこの上ない罪人にも
同様に光り輝く。
(略)
ただ人間だけが
不可能なことをなし得る
人間は区別し選びかつ裁く
人間は瞬間を永遠のものにすることもできる
人間だけが、
善人に報い、悪人を罰し
癒し救うことが出来る
またすべての惑いさまよえる者を、
結びつけ役立たせる。
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ベートーベンがゲーテに傾倒したのがよく分かる詩。
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あの娘はきっとここにいる!
ここに隠れるのを、僕はみた。
この目でちゃんと見届けた。
あの子は僕の方に向かって来、
それからどぎまぎして、
真っ赤になって、あともどりした。
望みがあるかしら?夢かしら?
ねえ、岩や木立ちよ、
最愛の人を見つけておくれ!
私の幸福を見つけておくれ!
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「少女」という詩と遂になってる「若者」という詩。
あまずっぱい…。
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およそ自由の使徒というものは常に私の気に食わなかった。
結局みんな自分のわがままを求めているにすぎない。
多くの人を解放するつもりなら、進んで多くの人に仕えよ。
その難しさを知らんと欲するか。ならばまず試みよ!
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いつも変わらなくてこそ、ほんとの愛だ、
一切を与えられても、一切を拒まれても。
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「何ゆえ、私は移ろいやすいのです?おおジュピターよ」と美がたずねた。
「移ろいやすいものだけを、美しくしたのだ」と、神は答えた。
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この詩人の表現の素晴らしさ…。
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すべての階級を通じ、一段と気高い人はだれか。
どんなことを前に控えても常に心の平衡を失わぬ人。
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「いち早くきた春」
喜びの日よ、
はやくも来たか。
暖かい太陽はわがそぞろ歩きのために
丘と森を返してくれるか。
小川は雪解けの水を受けて
いともゆたかに流れる。
これが去年の秋見た草原か、
これが去年の秋見た谷か
青い色のみずみずしさ!
空よ丘よ!
金色に輝く魚は
みずうみに群がる。
色とりどりの鳥が盛りの中で羽音を立て、
いとも妙な歌が
その間に響いてくる。
いきいきともえる緑の
華やぎわたるなかで、
みつばちがうなりながらみつを吸い取っている。
かすかな動きが
大気の中にふるえて、
うっとりする気配、
眠りを誘うかおり。
やがてやや強いそよ風が起こるが、
すぐにまた茂みの中に消えうせてしまう。
だが、そよ風は我が胸にかえってくる。
詩の女神よ、この幸を歌い伝える力をかし与えよ。
(略)
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同じ景色を見ていても、詩人の感性でみる春はこんなにも喜びに溢れた世界なんだな。
みつはしちかこにも通じるものを感じる。自然に生きれる人は幸せ。
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一番幸福な人は?他人の手がらを感ずることができて、
他人の楽しみを自分の楽しみのように喜べる人。
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みずから勇敢に戦った者にして初めて
英雄を心からほめたたえるだろう。
暑さ寒さに苦しんだものでなければ
人間の値打ちなんかわかりようがない
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安らかに寝ることを欲するか
私は内的な戦いを愛する
何故なら、もし疑うことがなかったら、
確実なことを知る喜びがどこにあろう
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つつましき願いよ、友のことばよ、
この小さき本の中に生き続けよ!
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「ゲーテとの対話(上)」より
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いつかは目的地に到達しようなどぐらいの気持ちで歩んでいては不十分です。その一歩一歩が到達地であり、その一歩としての価値があるべきだ。
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エッカーマンが、ゲーテが旅行中自然や建築、絵画、演劇、人種、生活様式などあらゆるものに興味を覚え、どんなものも看過していないことを指摘したことに対してのゲーテの答え。
「けれども、音楽については一言も触れていない。これは私の力の及ぶ領域ではないからです。誰でも旅をするときには自分の観るべきものは何かをわきまえ、かつ自分の限界をしっていなければならないと思う。」
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ゲーテの唯一の苦手分野が音楽だったっていう…。
ゲーテを敬愛するベートーベンにとっては切ない話だ。
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ゲーテが詩の作品を発表する際、絵画の解説が大衆のその絵画に対する理解を助けるように、その作品の過程を付け加えるなどの解説をつけるべきではというエッカーマンの発案に対してのゲーテの答え。
「それは不賛成だ。絵とこれとは違う。詩は一様に言葉から出来ているものだ。それで一語を加えても他の言葉を殺してしまう。」
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二流品をみていては趣味はできあがらない。
ただ第一等の作によるべきだ。
それで、私はあなたにはただ傑作だけを見せよう。
これによってあなたの観点が定まれば、他のものに対する基準も出来、過当評価をやったりせずに正しい判断を下すだろう。
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純正で偉大な作家の最高の喜びは制作過程にある。
才能の乏しいものほど、制作にとりかかりながらこの作品を仕上げるとどんな利得にありつくかなどとばかりを絶えず思い浮かべる。こんな世俗的な目的や方向にとらわれていては決して偉大なものが生まれるはずはない。
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ふぃ~。転記終わり。
まだまだ上の半分も読んでないというのに…。
果たしてファウストまでたどり着けるのか…。