昨日図書館で借りてきた本。


ティアドロップス☆☆
「ナポレオンが選んだ3人の女」


先日「マリールイーズ」を読んで、興味が沸いたナポレオンの女性関係。


この本では最初の妻ジョゼフィーヌ、愛人マリーヴァレフスカ、二番目の妻マリールイーズについて書かれている。


三人三様の女性達の対比が面白かった。

よくもこれだけタイプの違う女性達に惚れたなって感じ。


ジョゼフィーヌは奔放で浪費家で恋多き女性で、ナポレオンを振り回しまくり、マリーヴァレフスカは清楚で純粋で一途にナポレオンを愛し、マリールイーズは従順で地味だけれどもナポレオンが没落するとさっさと心を他に移す強かさがあり…。


ナポレオンがなぜこの三人を愛したのか、女性として魅力的なのは誰か、比較して楽しんだ。


まず、ジョゼフィーヌ。

恐らく三人の中でナポレオンが最も恋焦がれたのはジョゼフィーヌだろう。

子供が出来なかったので仕方なく離婚したが、ジョゼフィーヌが死ぬまで彼女への恋は変わらなかった。

ナポレオンが亡くなるときに名前を口にしたのも三人のうちジョゼフィーヌだけだし。。。。


ジョゼフィーヌは美人だけど浮気性でナポレオンを振り回し、そのくせ都合のよいときだけナポレオンの愛を頼りにし、好き勝手に振舞ったてた女性のよう。

同性として、「なんて勝手な…」って呆れ、本を読み始めたころは「さっさと離婚されてしまえー!」と思ったけれども、読み進めていくうちにどうも嫌いになれなくなった…。


それは彼女が奔放だけど自分の心のままに素直であり、情が多いということはそれだけ情が厚いということで、他の人たちを喜ばせたり、一緒に楽しんだりするのが好きだったっていう、子供のような一面があるせいか…。


ナポレオンが彼女に終生恋し続けたのは、彼女がとても気まぐれで、手に入ったかと思えばすり抜け、その心をやっと掴んだと思ったら離さなくてはいけなかった存在だったからではないだろうか。


戦争が大好きなナポレオン、平和よりも、限りない闘争に歓びを見出した。

そんな彼だから、女性に対しても同様だったのかなーと。

一途に愛してくれる女性より、征服欲を刺激し、その心を掴むために苦労させられる女性の方が彼の心をひきつけたのかも…。


そして愛人マリーヴァレフスカ。


彼女はジョゼフィーヌとはまさに対極的な女性。

可憐で清楚で、一途に生涯ナポレオンを愛し、尽くした。


女性として一番共感し、応援したくなるのはこの女性。


ナポレオンもマリーヴァレフスカには安らぎと慰めを見出した。

一番失意のときにも彼のそばに駆けつけ、献身的に尽くしてくれた。


でもナポレオン、戦争屋の常なのか、恐らく既に自分が手に入れ、完全に征服しつくしたものに対しては、注意をそんなに払わないのだろう。

簡単にいえば釣った魚にエサはやらないタイプというか…。


他の本の記述で、ナポレオンにとって平和とは、戦争と戦争の間の休止期間に過ぎなかったというのを読んだけれど、マリーヴァレフスカはナポレオンにとって平和みたいなものだったのではないだろうか。


たまに訪れ、しばし平安と休息を得るが、ナポレオンが常住する場所ではない、みたいな…。


マリーヴァレフスカみたいな女性をずっと愛し続けてればナポレオンも幸せになれたかもしれないのに…と読んでる方は思うけれど、それがナポレオンのナポレオンたる所以なんだろう。


ナポレオンより早くこの世を去った彼女だけど、彼女とナポレオンの子孫が唯一現代まで続いているということに、マリーヴァレフスカの誠実な芯の強さを感じたり…。


そしてマリールイーズ。


三人の中で一番共感できないというか、好きになれないのが彼女。


先日読んだ本でのナポレオン2世の運命があまりにもかわいそうだったせいもあるんだけど、いまいち何考えてるのかつかめない女性。


敵だと思ってたナポレオンに嫁いだら素直に彼を愛するようになり、でもナポレオンが失脚したらさっさと近くで自分を支えてくれた男に乗り換え、その男が死んだらまた次に支えてくれた男と結婚し…。


なんか根無し草のようというか、「アンタは好きになられたら好きになるんかい!!」ってツッコミたくなるような…。


思えばナポレオンと結婚したのも皇帝である父親の言いなりだったわけだし、男の支えがないと生きていけないのかな?

その癖強かというか…、同じ強かでもジョゼフィーヌみたいに後先考えないワガママというよりは、自分の損得を考えて、得にならないなら容赦なく切り捨てるみたいな冷たさを感じる。


皇女だけあって7ヶ国語に堪能だったというし、パルマでは善き女王様として善政をしいたそうだけど、なんだかなー。


でもナポレオンが彼女を愛したのは、彼女の血筋の気高さと、生まれながらにして高貴な身分の人だけがもつ優雅さに憧れたからではないだろうか。


フランスの皇帝にまでのしあがったナポレオンだけど、もともとは一介の軍人に過ぎない、通称“コルシカの成り上がり者”だった。


自己顕示欲が強くプライドの高いナポレオンは、権力を手にしても、自分が持ち得なかった高貴な血筋への憧れというかコンプレックスがあったのではないだろうか。


ハプスブルグの皇女で、やんごとなき身分のマリールイーズを妃に迎えたことで、彼は彼のコンプレックスを補うことができ、満たされたのかなと。


こうしてみると、三者三様の女性たちは、それぞれ違うからこそ、ナポレオンの異なる部分を惹きつけた気がする。

ナポレオンは無意識に、女性に対しても、自分に足りないもの、自分が求めてるものを完璧に補完しようしてるようで、根っからの権力者というか、上昇志向が非常に強い人間だったのかなと推察してみたり。


しかしヨーロッパの歴史は面白い…。


この本でもナポレオンの戦いについて度々触れられているけれど、ヨーロッパの歴史を知ることで、島国日本ってほんと特殊なんだなって感じが…。


やっぱり他国と地続きか、海で遮断されてるかの違いって大きい。


地続きで、国境を超えたところにすぐに他国があるってのは、領土拡大の意欲に直結するのだろう。

ヨーロッパが昔から戦争に明け暮れ、アフリカやアジアを占領下に置こうと野心を燃やしたのは当然かもしれない。


たいして日本。近代になって鎖国を解除してから欧米諸国に感化され、中国や韓国を侵略したこともあったけれど、それ以前は他国からたいした干渉も受けず、翻って他国へもたいして興味を抱かないまことに閉鎖的な国だった。

(もちろん蒙古襲来や豊臣秀吉の朝鮮出兵などはあったけれど)


テレビや新聞もない遥か昔に私が生きていたとしたら、やっぱり外国にはそんなに興味を抱かなかったかもしれない。

目に見える形で自分達の国が他国を手中におさめ、その利益を貪ることが出来たのならともかく、海の向こうの見たこともない国を手に入れたぞーとよしんば聞かされたとしても、「ふーん。」で終わったのではないか。


昔とか比べ物にならない位グローバル化し、諸問題に地球規模で取り組んでいかなくてはいけない現代にあっては、日本は閉鎖的な島国根性を批判されることもあるけれど、かつてのようにそれぞれの国が自国の国益のみを追求し、戦争に明け暮れていた長い歴史にあっては、下手に権力争いに絡まれることもなく、他国とも深い関わりを持とうとしなかった日本は案外平和だったのかもしれないな。


先進国なのに、グローバルなフェイスブックよりクローズドなミクシィの方が好まれるのもその国民性の表れか…。

(しかし最近のミクシィはフェイスブックの真似ばっかりで使いづらい…。特に携帯からみると無駄な情報が多すぎて、自分の行きたい箇所になかなかたどり着けずにイライラする…。

誰がどのコミュニティーに参加しよーがどのアプリに参加しよーがどーだっていいっちゅーねん。)


ってだいぶ話が飛んだけど。(いつものこと)


あと他に読んだ本。



ティアドロップス☆☆
「眠りの兄弟」 シュナイダー

(うっ画像が小さい…)


図書館で衝動借りしたんだけど、不思議な本だったー!


残虐だし奇奇怪怪だし登場人物皆頭大丈夫?って感じだし、最初は借りたこと超後悔したんだけど、ガマンして読み進めていくうちに止まらなくなった。


読み終えた後の不思議な余韻…。


眠りの兄弟っていうのは「死」のことなんだけどね。

眠ってる間は人は死んでるのも同然。愛してもないし考えても無い。

だから眠ってしまっては、「生涯愛し続ける」ということは嘘になってしまう。

だから寝ない。

そして寝ずに死んでしまう主人公…。


何それー??どういうことー??誰か解説してーーーー!!


って感じの本だったけど、妙~にひきつけられる…。ドイツではベストセラーになったそう。

ドイツ人、奥が深いな…。


さて、今日は姉の家に泊まりに行く。

実は10月2日に試験があるんだけど、家にいるとこんな調子で誘惑が多すぎてまったく勉強が手につかないので、試験のテキストだけ持って誘惑の少ない姉の家に勉強合宿…。


部屋掃除してお泊り道具もって出かけなくては。急げー!