今回の男子フィギュアについて、タチアナのコメントが出てたので備忘録代わりに。
http://www.chunichi.co.jp/ee/feature/vancouver2010/news/2010022001000222.html
「プルシェンコ「銀」に不満の声 ロシア、フィギュア男子」
2010年2月20日 10時50分
【モスクワ共同】バンクーバー五輪のフィギュアスケート男子で、連覇を狙ったロシアのエース、エフゲニー・プルシェンコが銀メダルに終わったことについてロシアでは19日、失望と判定への不満の声が渦巻いた。
インタファクス通信によると、ロシア・フィギュアスケート連盟のニロフ副会長は、逆転優勝したエバン・ライサチェク(米国)について「技術的に(4回転ジャンプを成功させた)プルシェンコを上回ってはいない」と主張、判定に異議を申し立てるべきだとの考えを示した。
浅田真央(中京大)が師事しているタチアナ・タラソワ・コーチはロシア国営テレビで「ショートプログラムの時からプルシェンコへの評価は不当に低すぎた」と指摘した。
ロシアの主要テレビは終日、プルシェンコの「敗北」をトップニュースで報道。プーチン首相は同選手にあてた電報で「ロシアのファンはあなたの素晴らしい演技と勝利への意欲に感動した。あなたの銀メダルは『金』に値する」とねぎらった。
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私もショートの結果をみたときは思った…。
だって4-3決めたプルの得点を、3-3しか決めてない大ちゃんとライサの差が一点未満なんて…。
確かにフィギュアはジャンプだけではない。
しかし、プルも言ったとおり「四回転は四回転」なのだ。
三回転の難易度とは雲泥の差。
四回転をいれるだけで、失敗しようが成功しようが精神的身体的負担は全然違う。
それをステップやスピンの出来がいいからと、四回転を入れてなおかつ他でもミスのなかった選手に点数で差をつけないというのは、プルでなくても「四回転跳ばなくても勝てるなら、僕も次から跳ばないよ」って言いたくなるわ。
そもそもGOEの加点減点幅が大きすぎる。
今回ライサのストレートラインステップについた加点、レベル4の基礎点3.90に2.20を加え合計6.10。
トリプルルッツの基礎点よりも上。
GOEに3点も必要ある?
そもそも加点3と加点2と加点1の違いって何?
ジャンプもそう。
どんなにキレイな三回転をとんだところで三回転は三回転。
一つ一つの要素にじゃんじゃんGOEをつけて、結果的に四回転を跳んだ選手より上にしてしまうなんて本末転倒だ。
しかもプルはジャンプのミスが響きだのなんだの言われてるけど、軸はぶれてても回転不足があったわけでもなく、ステップアウトやオーバーターンがあったわけでもないのに。
むしろあれだけ軸ぶれてても気迫で降りる、あの熱さこそスポーツの醍醐味じゃないか。(ぶつぶつ)
ファイナルで大ちゃんとライサが89点以上を出したときは目がテンになったけど、あのときはSPでクワドをいれたのはトマシュしかいなかったし(しかも他のジャンプで自爆)、絶対評価を謳った新採点システムとはいえ、人間が採点することだからそのときの顔ぶれによって相対評価で点数付けちゃうこともあるかなと(しぶしぶ)思った。
ただそのとき思ったのは、もし同じ試合にプルが出てて、4-3を完璧に決めてたらここまで高得点は出なかっただろうなってこと。
いくらなんでも同じ土俵に立ってかたや4-3、かたや3-3なら明確な差をつけなければ観てる側も納得しないだろうと。
なのに…出ちゃいましたね
しかもファイナル以上の点数で僅差が。選手にとって最大の夢の場である五輪で。
GOEとPCSは新採点法の諸悪の二大根源だ。
GOEの加点2点と加点3点の差、PCSの7点と8点の差は、誰にも説明がつけられない。
そのくせそもそも点の基準が曖昧な主観点だから明確に「不正だ!」と叫ぶこともできない。
(いくらあれだけ優れたスケーティングをしたこずこずのPCSが低くても…)
昨日今日とバンクーバーのお口直しにニコ動で過去の画像を観ているが…。
同じような人がたくさんいるらしく、ソルトレイク五輪の表彰式、ソルトレイクのときのヤグディンのSP、FPの演技の前日再生数が跳ね上がっていた。その前まで圏外だったのに…。(トリノのプルも)
ソルトレイクのときはまだ旧採点だったから、ステップもスピンも今の採点法で観たら両方レベル1か2かもしれない。
だけどバンクーバーを観た後多くの人がソルトレイク時代を懐かしがって映像を観たのは事実。
(むしろ素人目にはステップの複雑さなんてよく分からないんだから…ノロノロ複雑なステップを踏まれるより、かつてのヤグやプルみたいにタタタっと小気味よく高速でリンクを横切っていくステップの方が遥かに面白いんだけど…。複雑でも大ちゃん位スピードがあってエッジが深ければ言うことないが)
「技術は20年前に退化した」かどうか分からなくても、少なくとも8年前のオリンピックの方が遥かに熱く胸躍る大会だったのは確かだ。
(最終グループは全員クワドジャンパー。今の時代だったらフリーでクワド三回決めた選手(ゲーブル)が三位だなんてあり得ない。)
しかもプルが四回転を跳ばなくなったら、安定してクワドコンボを決める人が誰もいなくなるということ。(ジュベ、トマシュはよく頑張ってるけれど…)
採点がどうのってより何より、想像しただけで
「つまんな~い!!!!!!!!!!!!」
の一言!!
今回のオリンピックだって、プルが4-3を跳んだ時、花火があがったかのように一気に会場が華やかに盛り上がったじゃないか。
プルさ~ん!もう跳ばないなんておっしゃらずにこれからも跳んでくださいよ~!!
今夜テレ東でやってた番組で、プルが大ちゃんへのメッセージを言っていた。
「彼は偉大なスケーターだ。クワドを跳んでくれてありがとう。これからも健康で、ナイスガイでいてくれ。おめでとう」と。
そしてこずこずが、クワドについて「フリーで二回、ショートでも一回いれられるようにしたい」と言ったとか。
採点方法に関わらず、こうして更なる高みへ挑戦したいという選手がいることはフィギュア界にとっても、今回爆弾発言で問題を提起したプルにとっても暁光だ。
もしソチまでプルが頑張ってくれて、こずこずがそのときに宣言通りの構成でプルを破ったならば、プルの公式HPのトップも「ソチ…シルバー」ときちんと明示されることだろう(プラチナではなく…笑)
追記:ちなみにクワドクワドと言っているけれど、フィギュアがクワドだけではないことも勿論分かっている。プルがもっと若く、怪我が無ければジャンプ以外にもステップやスピンでも充分魅せられたのに、復帰してジャンプだけに注視せざるを得ない状況でこの論争が巻き起こってることが残念でならない。(それでもステップもスピンもきちんとレベルをとってはいるけど)
特にニュースで「ジャンプはすごかったけど後は…」的な、にわかコメンテーターがプルはジャンプだけみたいな言い方をすると本当に悔しい。(PCSは全く信用してないし意味もないけど…一応フリーでの得点はライサと同点だったと付け加えておこう。)
プルは総合的に優れた史上最高の才能を持つスケーターだ。
復帰したら過去の栄光に傷がつくかもしれない、怪我で前と同じような演技ができないことも勿論分かっている。
それでも27歳というフィギュアにしては高齢で3年半ぶりに復帰して、クワドだけはなんとしても入れ続けている(しかも一度も転倒なし)その背景を、その思いを知って言及して欲しい。(劣化したとか偉そうに言ってる人何様なの?)
知らないなら、むしろプルの演技についてコメントしてほしくない。
しかも日本のマスコミは点数や評判に左右されて知ったようなコメントをいうから本当にいやだ…。
大ちゃんの銅に浮かれてるけど、小塚くんがチャンより下だったことに疑問を持ってる人が日本より海外で発言してくれてるってどうなのよ!
はぁ~しかし一日経っても、プルが銀だったお陰でフィギュアの採点方法への議論が巻き起こってても、プラチナメダルでも…今回の結果は本当に嫌だ…。