★本★
最近サン・テグジュペリの「人間の土地」を読んだ。
先週行った「星の王子様ミュージアム」がとっても良くて、読んでみたくなったから。
サンテグジュペリは作家であると同時に飛行士でもあった。
飛行士と言っても当時の飛行機はまだ開発されたばかりで、非常に性能の心もとない、一回一回が危険を伴うような飛行機だった。
一度テグジュペリは砂漠の真ん中に不時着し、遊牧民に救助されるまで三日間渇きに苦しみながら砂漠をさまよった。
このときの体験が載っているのだけど、助け出され、ようやく水にありつけたときの水の表現の仕方が素晴らしかった。
以下抜粋↓
「ああ、水!
そなたには、味も、色も、風味もない、そなたを定義することはできない、人はただそなたを知らずにそなたを味わう。
そなたは生命に必要なのではない。そなたが生命なのだ。
そなたは、感覚によって説明しがたい喜びで僕らを満たしてくれる。
そなたと一緒に、ぼくらの内部にふたたび戻ってくる、一度ぼくらがあきらめたあらゆる能力が。
そなたの恩寵で、僕らの中に枯れ果てた心の泉がまたわきだしてくる。
そなたは世界にある限り、最高の財宝だ。そなたはまた一番デリケートな財宝でもある。大地の胎内で、こうまで純粋なそなた。
(中略)
でもそなたは、単純な幸福を、無限にぼくらの中に広げてくれる。」
これを読んでからやたら水がおいしく感じる私…。
そして助けてくれた遊牧民に対する記述。
「ぼくは、きみをあらゆる人間の中に知ろうと思う。
僕の目に、君は気高さと親切さに満ち溢れて映る、水を与える力をもった王者よ。
あらゆる僕の友が、あらゆる僕の敵が、君を通ってぼくの方へ向かってくる、ためにぼくには、もはや一人の敵もこの世界に存在しなくなる。」
自分を助けてくれたのが人間だった。
そのときからあらゆる人がサンテグジュペリにとって高貴で親しい存在になった。
一人の人を通して、愛や尊敬が全てに広がっていく、文豪の心の繊細さ、敏感さが素晴らしいと思う。
この本はそこ以外にも心を打たれる表現が多々あった。
星の王子様のルーツがここにあるような感じがする。
最近サン・テグジュペリの「人間の土地」を読んだ。
先週行った「星の王子様ミュージアム」がとっても良くて、読んでみたくなったから。
サンテグジュペリは作家であると同時に飛行士でもあった。
飛行士と言っても当時の飛行機はまだ開発されたばかりで、非常に性能の心もとない、一回一回が危険を伴うような飛行機だった。
一度テグジュペリは砂漠の真ん中に不時着し、遊牧民に救助されるまで三日間渇きに苦しみながら砂漠をさまよった。
このときの体験が載っているのだけど、助け出され、ようやく水にありつけたときの水の表現の仕方が素晴らしかった。
以下抜粋↓
「ああ、水!
そなたには、味も、色も、風味もない、そなたを定義することはできない、人はただそなたを知らずにそなたを味わう。
そなたは生命に必要なのではない。そなたが生命なのだ。
そなたは、感覚によって説明しがたい喜びで僕らを満たしてくれる。
そなたと一緒に、ぼくらの内部にふたたび戻ってくる、一度ぼくらがあきらめたあらゆる能力が。
そなたの恩寵で、僕らの中に枯れ果てた心の泉がまたわきだしてくる。
そなたは世界にある限り、最高の財宝だ。そなたはまた一番デリケートな財宝でもある。大地の胎内で、こうまで純粋なそなた。
(中略)
でもそなたは、単純な幸福を、無限にぼくらの中に広げてくれる。」
これを読んでからやたら水がおいしく感じる私…。
そして助けてくれた遊牧民に対する記述。
「ぼくは、きみをあらゆる人間の中に知ろうと思う。
僕の目に、君は気高さと親切さに満ち溢れて映る、水を与える力をもった王者よ。
あらゆる僕の友が、あらゆる僕の敵が、君を通ってぼくの方へ向かってくる、ためにぼくには、もはや一人の敵もこの世界に存在しなくなる。」
自分を助けてくれたのが人間だった。
そのときからあらゆる人がサンテグジュペリにとって高貴で親しい存在になった。
一人の人を通して、愛や尊敬が全てに広がっていく、文豪の心の繊細さ、敏感さが素晴らしいと思う。
この本はそこ以外にも心を打たれる表現が多々あった。
星の王子様のルーツがここにあるような感じがする。