今日は久しぶりに夜ゆっくりできたので、音楽を聴いた。
チャイコフスキーの唯一のバイオリン協奏曲ニ長調。かっこよくて大好き。
チャイコフスキーが作曲した際、当代随一と言われていたバイオリニストにはりきって献上したものの「難しくて弾けない」とあえなく断られたという曲。(ちょっと笑える)
今では数あるバイオリン協奏曲の中では多分もっともメジャーで、色々な演奏家がCDを出している。
私は一昨年CDを買って以来すっかりはまってしまい、一時期毎朝のように聴いていた。会社で資料室に一人でいるときとか、ノリノリで口ずさんでいたりもする。
“なんちゃってクラシック好き”の私にはめずらしく一楽章から三楽章まで全部飽きずに聴ける曲なのだけど、とくに第一楽章は一番好き。
一度聴いたら忘れられない印象的なフレーズ。とにかく屈託のない曲だと思う。
私の持ってるCDの演奏は(一番安いやつだったのであんまり有名な演奏家じゃないっぽい)、難しいフレーズも難なく弾きこなしているように聴こえるので、一音一音がさらっさらっと上へ下へと滑っていく感じがものすごく心地よい。
たまに悲しい短調のメロディーも入るのだけど、次にはすぐにそんなこと忘れたような爽やかな明るいメロディーに移る。
なんか聴いていると、すごく健やかなイメージが沸く。悲しさは悲しさとして、喜びは喜びとしてそのまま前面に出して、裏には何もない。計算も打算もない。ただ目の前に見えるものだけがその人を表す全て。
その人がいるだけでなんとなく場の雰囲気が和らぐというか、決してきまずい雰囲気にならない。尖っていた気持ちも、その人と一言二言言葉を交わすだけで、ひょい、とささくれをなだめられたように穏やかになる。
チャイコフスキーのバイオリン協奏曲は私にとってはそんなイメージの曲だ。
“苦しいこともそりゃあるよ。だけど前向きに生きていくしかないじゃんね。”と屈託なくおおらかに笑ってるような。(ちゃんとしたクラシック好きの人に怒られる?)
最近なかなかゆっくりと自分の時間を持てなかったので、チャイコフスキーを聴いて久しぶりに心の開放感を味わった。
明日から、もうちょっと忙しい日々が続く。
空が晴れでも曇りでも、苦しいときも嬉しいときも、いつでも飾らないありのままの自分で、素直に心晴れ晴れと生きていきたい。
(※以前別の場所で書いた記事の転載です)