FIREBIRDのブログより。
長文になるため、記事を分けました。
現在の世界情勢。
香港は、何に突き動かされているのか?
安倍総理、トランプ大統領はこれらと戦っている。
嫌中嫌韓など言っている場合ではない。
しかし嫌中嫌韓を引き起こしているのも、原点は一緒なわけですが。
世界を俯瞰した視野で考えていただきたい。
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2019年3月31日、4月28日、そして6月9日に、香港で、「逃亡犯条例」の改正案に反対するデモが行われた。
特に、6月9日のデモの参加者は主催発表で103万人(警察発表は24万人)と、1997年7月1日にイギリス領から中国に返還となって以降で最大規模のデモとなったようだ。
●「逃亡犯条例」の改正案とは何か?
香港が「犯罪人引渡し条約」を締結していない国や地域の要請に基づいて、刑事事件の容疑者の引き渡しを可能とするものである。
現在の香港は、イギリス・アメリカ・韓国など20カ国と条約を締結しているが、中国本土・マカオ・台湾とは締結していない。従って、中国本土・マカオ・台湾とも条約を締結しようというのが今回の改正案の狙いである。
●犯罪人引渡し条約
2016年現在の各国の状況は以下の通りだ。
・日本…2カ国(アメリカと韓国)
・アメリカ…69カ国(日本を含む)
・韓国…25カ国(日本を含む)
・フランス…96カ国
・イギリス…115カ国
・中国…55カ国(香港は含まれない)
・香港…20カ国(中国本土・マカオ・台湾は含まれない)
と、このように条約を締結しているようだ。
●なぜ「逃亡犯条例」の改正案を通そうとするのか?
これは2018年2月17日に、台湾で起きた「潘曉穎殺人事件」がキッカケだ。
香港人カップルが台湾に旅行
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2月17日、男が女性を絞殺し、遺体を台北に遺棄
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男、香港に帰った1ヶ月後に、その女性のキャッシュカードでお金を下した「窃盗罪」の容疑で逮捕
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男、取り調べで、台湾での殺害と遺棄を自白
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殺害現場は台湾なので、香港の刑法では「殺人罪」で訴追できない
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香港と台湾の間に「犯罪人引渡し条約」が締結されていないため、台湾に引渡しできず…
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結局、男は、香港では、香港で行った「窃盗罪」や「資金洗浄」のみの訴追となった
つまり、他国で起きた事は訴追する事ができず、犯行現場の国や地域に引き渡しする事ができなかった犯罪人を、犯行現場の国や地域に引き渡しできるようにするのが「逃亡犯条例」を改正したい理由である。
●改正案が否決・廃案になったらどうなるか?
「逃亡犯条例」の改正案が否決・廃案となれば、中国本土・マカオ・台湾で犯罪を犯した犯罪人が香港に逃げ込んだ時、その犯罪人を犯行現場の国や地域に引き渡す事ができない。もちろん、逮捕する事もできない。
犯罪人からすれば、「中国本土・台湾・マカオで犯罪やっても、香港に逃げ込めばチョロイwww」というわけだ。
逆に言えば、改正案が可決・成立すれば、香港に逃げ込んでも、条約締結済みの20カ国はもちろん中国本土・マカオ・台湾で犯罪を犯した者であれば、それらに引き渡す事ができるようになる。
●香港デモが起きた原因
今回、香港で起きたデモは、そんな「逃亡犯条例」の改正案に反対する人たちによるデモのようだ。デモ参加者の言い分は、主に以下のような感じだ。
・香港人の自由や人権がなくなる
・言論弾圧されて、抗議デモもできなくなる
・民主主義の根幹が脅かされる
・香港で習近平の悪口を言っただけで中国に引き渡される
・香港に進出している企業にも影響が及ぶ
・外国人や観光客も捕まって中国に引き渡される
・一国二制度が崩壊する
と、いかにも『逃亡犯条例の改正案=悪』と言わんばかりであるが、果たしてそうなのだろうか?
●「テロ等準備罪」成立前の状況に似ている
「逃亡犯条例」の改正……一体、どこに問題があるというのか???
反対派の主張は、2017年の「テロ等準備罪」(組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律)が成立する前のぱよちん勢力の主張に非常によく似ている。
あの時、ぱよちん勢力は、
「居酒屋で上司やアベの悪口を言っただけで、"共謀罪"によって逮捕されるぅ~。」
と主張し、国会議事堂の前に集まって反対運動をしていたwww
しかし、実際にはそのような事は全くないわけで、2017年6月15日に可決・成立し、同年7月11日に施行されて以降、テロ等準備罪が適用された事は現在のところ1件もないのが現実だ。
・法務省
テロ等準備罪について
今回の「逃亡犯条例」の改正案にしても、結局は同じ事だろう。適用されるのはあくまでも逃亡した犯罪人であり、罪無き一般市民や観光客には何の関係もないのではないか?
●香港の活動家・来日
・2019.06.11(BUSINESS INSIDER)
「民主の女神」現役大学生が訴える“香港103万人デモ”のリアル
「日本も無関係じゃない」
2014年に「香港雨傘運動」(民主的な選挙を求めた運動)を主導した団体の一人で、「民主の女神」として注目されたアグネス・チョウ(周庭)さんが6月10日に来日し、日本記者クラブで会見した。
どうやら、今回の香港デモに参加した後に来日したようだ。そこで、アグネスさんは、会見で、「逃亡犯条例」の改正案の撤回を訴えた。
アグネスさんは、現在は大学生で、政治団体「デモシスト」に所属して活動している。
活動家かwww
●「外国勢力」とは?
そんな香港デモの中、気になる記事を見つけた。
・2019.06.10(ロイター)
香港の容疑者移送条例への反対運動は「外国勢力」が画策=中国紙
中国の国営英字紙チャイナ・デーリーが、「外国勢力」が混乱を画策しているという見方を示した。
私は、香港デモがあった時点で、扇動している主が江沢民派や米国金融企業である事はわかっていた。中国や香港において、「外国勢力」に該当するのはアイツらしかいない。この記事の信憑性云々を問わず、これは十分に想定できる事である。
お仲間の江沢民派が、トランプ政権に関税を上げられたりEUとの分断を図られたりなど、いろいろと追い詰められた事でヤバくなってきたものだから、自分と敵対する習近平政権を倒そうと必死になっているという構図。
つまり、『江沢民派(上海閥)+米国金融(深圳) vs 習近平政権(北京)』という対立構造だ。
●トランプもアベもわかっている
続く。