踵については、私の習った先生はとても厳しい方でした。

太極拳の型稽古の時に、初心者は後ろ足の踵が動きがちです。

すると、「ちょろちょろ踵を動かすんじゃねぇ!」

と怒鳴ったものです。定歩で重心の前方移動・後方移動が

繰り返される型では、油断をしていると

つい足が動いてしまします。

 

 足の裏の意識は、拇趾の付け根・小趾の付け根・踵

3か所にあって、その3点をしっかり地面につけます。

その条件で、さらに拇趾の付け根に他の2点より多くの重心を

かけるようにします。

それには、足背・下腿・大腿の纏絲勁が関係してきます。

なので、初心のうちは、重心を多めに、拇趾の付け根に

落とす、という感覚を磨くことです。

 

 拇趾の付け根に重心を落とすことと、踵を動かさない、ということは

どうも、稽古量の少ない方にとっては、両立が難しいようです。

拇趾に意識が行くと、つい踵が浮き加減になります。

踵を意識すると、拇趾に重心がかからなくなります。

 

踵については、よく陳式の方が、踵重心を強調されています。

また、「五輪の書」でも「踵を強く踏む」という記載があります。

その時に拇趾については、どうなっているのか、

陳式が専門の方が、この記事をご覧になったら、

ぜひともご教授お願いします。

 

 そういうことで、はっきりと目に見えない足の裏でも

色々と鍛錬がされています。

最初のうちは目に見えないのですが、日々の稽古の成果が出てくると、

足の甲の筋肉がよく動くようになります。

目で見て分かるほどに、足の甲の幅が狭くできたりしますので、

確認の指標になります。