![]() | ヒトでなし 金剛界の章 2,052円 Amazon |
京極夏彦さんの
「ヒトでなし 金剛界の章」読みました。
下の娘を亡くし、
妻は「ヒトでなし」とののしり
もう一人の娘を連れていなくなった。
住む家もなく、仕事もなく
金もわずか。
尾田はなにもかもなくしてさまよっていた。
そこに自殺をしようと
跨線橋から身を乗り出す女に出くわす。
どうでもよかった。
「ヒトでなし」とののしられ
何もかもをなくした主人公が
偶然、自殺志願の女や旧友に会い
なんだか分からないうちに
事件に巻き込まれていくお話。
ヒトでなしである尾田さんの言葉に
勝手に”救われ”てゆく人々。
普通では考えられない
尾田さんの”ヒトでなし”ぶりですが
妙に説得力があるんです。
何にも執着をもたず
自然に身をゆだねて生きていくことを
突き詰めると尾田さんのように
なるのですねー。
かなり面白かったです。