「ヒトでなし 金剛界の章」 | 本の話がメインのつもり

本の話がメインのつもり

気まぐれに選んだ本を読みながら、何となく見つけたジャンクな菓子ばかり食べます。

 

 

京極夏彦さんの

「ヒトでなし 金剛界の章」読みました。

 

 

下の娘を亡くし、

妻は「ヒトでなし」とののしり

もう一人の娘を連れていなくなった。

 

住む家もなく、仕事もなく

金もわずか。

尾田はなにもかもなくしてさまよっていた。

 

そこに自殺をしようと

跨線橋から身を乗り出す女に出くわす。

どうでもよかった。

 

 

「ヒトでなし」とののしられ

何もかもをなくした主人公が

偶然、自殺志願の女や旧友に会い

なんだか分からないうちに

事件に巻き込まれていくお話。

 

ヒトでなしである尾田さんの言葉に

勝手に”救われ”てゆく人々。

普通では考えられない

尾田さんの”ヒトでなし”ぶりですが

妙に説得力があるんです。

 

何にも執着をもたず

自然に身をゆだねて生きていくことを

突き詰めると尾田さんのように

なるのですねー。

 

かなり面白かったです。