「アノニマス・コール」 | 本の話がメインのつもり

本の話がメインのつもり

気まぐれに選んだ本を読みながら、何となく見つけたジャンクな菓子ばかり食べます。

アノニマス・コール/KADOKAWA/角川書店

薬丸岳さんの
「アノニマス・コール」を読みました。


三年前の事件を期に
仕事も家族も失った朝倉真志は
ある日、覚えのない番号から電話を受けた。

お父さん――
と、聞こえた気がしたが
電話はすぐに切れてしまう。
ずっと連絡を取っていなかった元妻の奈緒美に
確認して、二人で探したところ
娘の梓は何者かに誘拐されていたことが判明する。

誘拐犯の目的は何なのか。


長編の小説だと物語に入り込むまで
やや時間がかかるものですが、
こちらの作品はもういきなりつかんできますね。

そしてそこから息をつく間もなく
最後まで疾走するという印象です。

少女の誘拐から、
誘拐犯の不可解な要求、
そして、なぞに包まれた
”三年前の事件”がちらりちらりと
見え隠れします。

面白い要素を凝縮してますね。

全部読み終えて俯瞰してみると
わりとありがちな展開だったと感じるんですが
(結末も予想の範囲内で)
そこを一気に読ませるパワーは圧巻です。
小説はネタの思いつきよりも
それをどう描くかって大事なんだなぁと思ったり。

ほんとおもしろかったです。