「トリビュート百人一首」百人一首が現代によみがえりました | 本の話がメインのつもり

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気まぐれに選んだ本を読みながら、何となく見つけたジャンクな菓子ばかり食べます。

トリビュート百人一首/幻戯書房

興味深い:食食食食 /5
きれい:あったか気分あったか気分あったか気分あったか気分 /5


「トリビュート百人一首」を
読みました。

二十六人の歌人たちが
百人一首からインスピレーションを得た
歌を詠んだという
短歌の本です。

百人一首へのアプローチの仕方が
歌人さんによって様々で
読み応えのある一冊でした。

となりに百人一首があることで
ハッと関連に気づくような歌
そのまま素直に連想が出来る歌、
返歌のような歌、
本当にいろいろな方面から楽しめました。

歌に対する歌人さんの
解説もそれぞれ入っていて
勉強にもなりましたよ。


お気に入りはコチラ ↓

みかの原みたこともないひとを恋う
いつまでもいつまでも泉川/加藤治郎

(みかの原わきて流るるいづみ川
 いつ見きとてか恋しかるらむ/中納言兼輔)


歌意もしっとりと切ないのですが
何よりも「い」音の連続から感じる
音の悲しげな雰囲気にぐっときました。
いつまでも口の中で呟いて
味わいたいような、そんな一首。


火星の暮らしに火星の税が課せられる
玄孫の玄孫の娘を思う/荻原裕幸

(世の中よ道こそなけれ思い入る
 山の奥にも鹿ぞ鳴くなる/皇太后宮大夫俊成)


世を捨てて、山の奥に住んだものの
そこにも鹿が鳴いていて切なさがあること。
そして、玄孫の玄孫の娘の代に
火星に移り住んでも税金があること。
この飛躍した発想に感動しました。


もっといろいろお気に入りが
あったのですが、
長くなっちゃうのでこの辺で。

百人一首好きな方、
オススメです。
豆知識的な話も
多くて楽しめますよー。