「白の闇」目が見えないとはどういうことか | 本の話がメインのつもり

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気まぐれに選んだ本を読みながら、何となく見つけたジャンクな菓子ばかり食べます。

白の闇 新装版/日本放送出版協会

怖い:46464646 /5
考えさせられる:001001001001 /5


ジョゼ・サラマーゴさんの
「白の闇」を読みました。


交差点で発進しない車があった。
後続車はけたたましくクラクションを鳴らすが、
運転手は両腕を振り回し、何かを叫んでいる。
「目が見えない」
そういっていた。

この男を発端として
突然失明するという謎の奇病が
蔓延し始めた。



ノーベル文学賞受賞作家さんの
作品で、読書会「こわいほん」でも
紹介された本です。

怖かったです。

もし、周りの全員が盲目となったら
どのようなことが起こるか。

視力がある状態を前提に
出来上がっている社会システムは
全て停止して、
誰も見てないだろうと
人々はお互いを傷つけ、物を盗み、騙し、
周り中トイレ状態……。

その中でも
失明を免れた一人の女性とその夫
隔離施設で同室になった数名が
何とか生き抜いていこうと
手を取り合います。

目が見えるとはどういうことか。
いろいろと考えさせられるお話でした。

見られていなければ
誰の仕業かわからなければ
人は理性を簡単に手放してしまえるものかも
しれないですね。

目をつぶってみて
ぞっとしました。