「天の梯 みをつくし料理帖10」とうとう最終巻 | 本の話がメインのつもり

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気まぐれに選んだ本を読みながら、何となく見つけたジャンクな菓子ばかり食べます。

天の梯 みをつくし料理帖 (ハルキ文庫)/角川春樹事務所

感動のラスト:☆☆☆ /5
おもしろかった:あったか気分あったか気分あったか気分あったか気分あったか気分 /5


高田郁さんの
「天の梯」を読みました。


『結び草』――葛尽くし
 江戸はひどい旱魃に襲われていた。つる屋の
 献立も青物ではなく年中手に入る「時知らず」に
 頼らざるを得ない。

『出張大関』――親父泣かせ
 よい自然薯が手に入り、政吉はとっておきの
 調理方法を提案した。見た目はよくないが
 その料理でつる屋は連日大盛況となる。

『明日香風』――心許り
 何者かが一柳の座敷に置き忘れた”酪”により柳吾が自身番に
 呼び出されたのだという。公方さまの食べ物である”酪”を
 勝手に作った罪を疑われているらしいが。

『天の梯』――恋し粟おこし
 野江を身請けするための金が遅々としてたまらない。
 そんな中、突如状況が変わり摂津屋から4日の期限を
 言い渡されてしまう。澪は野江の幸せとは何か真剣に考える。



長く読んできましたが
江戸の女料理人澪ちゃんの物語も
とうとう最終巻です。

途中で「これはいつまでも終わらないのでは」と
思ったりもしたのですが
あっさりと最終巻でした。

中盤からの急展開、
高田氏の手腕があれば
3、4巻かけて
さらに山あり谷ありな展開ができそうですが
ここはやはり引き際というアレですかね。

拍子抜けするほど
さらりと終わってしまい、
さみしさがこみ上げてきましたよ。

もっと読んでいたかった……
こう思わせるところで引くというのも
技なのでしょうか。

私の記憶力はかなりあやしいですが
伏線のようなものは
あらかた回収されて
すっきりしたように思います。

たくさんの登場人物が
走馬灯のようによぎる
すてきな最終回でしたね。


高田郁さん、
次回作も楽しみです。
個人的には是非、また食べ物系で
書いて頂きたいところですが。