「鹿の王」盛りだくさんの濃密なファンタジー | 本の話がメインのつもり

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気まぐれに選んだ本を読みながら、何となく見つけたジャンクな菓子ばかり食べます。

鹿の王 (上) ‐‐生き残った者‐‐ 鹿の王 (下) ‐‐還って行く者‐‐
   

緻密な設定:51515151 /5
登場人物:あったか気分あったか気分あったか気分あったか気分あったか気分 /5


上橋菜穂子さんお
「鹿の王(上)(下)」を読みました。


故郷のために戦い続けた
戦士集団<独角>のヴァンは捕らわれ
岩塩鉱の奴隷となった。

地獄のような生活に身体は衰え
死が近いと考えていたある日、
岩塩鉱に獣が入り込み、
ほとんどの人々が死に絶えた。
ヴァンは唯一生き残っていた幼子を
連れて岩塩鉱を逃げ出す。


楽しみにしていた上橋作品を
ようやく読めました。

図書館で借りていたため
上巻と下巻の間が
大幅に空いてしまいました。

記憶力がアレなので
ちょっと上巻の内容を思い出すのが
大変でしたよー。

しかし、さすが上橋作品と思わせる
緻密な設定と濃密な内容に
心から楽しめました。

獣にかまれた人が次々に亡くなるという
謎の病気にまつわるお話です。

ファンタジーで医学のお話って
読んでみるまでどんな感じなのか
全然想像できなかったんですが、
すごかったです。

現代の馴染みがある医学用語を使わずに
表現や造語の印象で
何のことをいっているのか分かるって
これは相当なアレですよね。

そして、これは上橋作品全部に
共通する特徴かもですが
登場人物がみんな魅力的で
視点が変わっても
スッと自然に感情移入できます。

そして民族、文化の違いについても
考えさせてくれる内容にもなっていて
なんだか盛りだくさん。

ステキな作品でした。
また新作が楽しみになってしまいますね。