「名探偵に薔薇を」読後感がモヤモヤの問題作? | 本の話がメインのつもり

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気まぐれに選んだ本を読みながら、何となく見つけたジャンクな菓子ばかり食べます。

名探偵に薔薇を (創元推理文庫)/東京創元社

名推理:ぎゃーーぎゃーーぎゃーー /5
怖い:464646 /5


城平京さんの
「名探偵に薔薇を」を読みました。


三橋荘一郎は
藤田鈴花の家庭教師として
藤田家から信頼を得ていた。

ある日、鈴花の母の恵子が
不可思議な方法で殺害される。
「メルヘン小人地獄」という童話を
トレースするように始まった殺人。
そして、犯人としか思えない人物には
鉄壁のアリバイが存在した。

鈴花の身を守るため
三橋は「名探偵」を呼び出す。



読書会の本の交換会で
頂いた本です。

帯に「第一部で読むのを止めないでください。」と
書かれていて、
非常に気になっていたんですが、
本当に一部でやめちゃいけない展開でした。

一部では名探偵が事件を解決して
めでたしです。
小人地獄という毒薬や
そのエピソードが異様で
興味深かったのですが、
正直よくある探偵モノでした。

そして、問題の二部は
一部から数年後のお話で、
同じく”名探偵”が
藤田家で起こった殺人事件を
解決するため再度現れます

そこからもう……
ネタバレに怯えて何もいえませんが
後半の急展開の嵐に
振り回されっぱなしの挙句
後味の悪い結末。

一部でやめとけば
味わずにすんだビターな展開。
しかし、一部だけならただの探偵モノ中編。

奇妙な面白さがあったのは
事実ですが、
自分の中でまだ消化し切れないくらいの
モヤモヤ作品でしたかね。