「権現の踊り子」今回も町田節が炸裂 | 本の話がメインのつもり

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気まぐれに選んだ本を読みながら、何となく見つけたジャンクな菓子ばかり食べます。

権現の踊り子 (講談社文庫)/講談社

テンション:ワクワクワクワクワクワクワクワク /5
不思議:あったか気分あったか気分あったか気分あったか気分 /5


町田康さんの
「権現の踊り子」を読みました。


『鶴の壷』
 20年前に居候していた家の鶴が入院したらしい。
 しかもかなり悪いという。勝手に持ち出した
 鶴の壷を手に見舞いに行こうとする。
 
『矢細君のストーン』
 矢細君がまずい中華料理を持ってやってきた。
 気に入ったフレーズがあると繰り返し言い続ける
 癖がある矢細君はさざれ石という石を持ってきた。

『工夫の減さん』
 減さんは捨ててあるものを拾って使ったり
 独特の自炊をしたりと”工夫”ばかりするが
 どれもまともではない。

『権現の踊り子』
 管理員室にいる管理員ではないおばはんが言う
 権現市とやらに行ってみることにしたが、
 見つけることができない。

『ふくみ笑い』
 湯田に借りていたギターを返そうとしてから
 かなり時間が経っていた。バナナを買いに行くと
 いたるところでみんながふくみ笑いをしている。

『逆水戸』
 凶悪な男たちにかどわかされそうになった光だったが、
 徳川光圀公の登場により――
 やはりかどわかされてしまった。


読書会のちゃありぃさんに
借りました。
いつもありがとうございます。

今回もものすごい町田節の嵐。
意味不明ながらも
クセになっちゃう面白さですね。

『矢細君のストーン』と
『逆水戸』が好きでした。

意味不明のフレーズを言い続ける
矢細君の描写がすごい……
何というか、ウザい?
ここまでウザい人物を表現できるとは
お見事ですね。

『逆水戸』は水戸黄門が
何ともいえずがっかりな展開になるお話で
わりと万人受けしそうな面白い設定でした。
黄門様が現れたのに
全然ダメダメなんです。
むしろむちゃくちゃで笑えましたね。

ちゃありぃさんオススメの
『ふくみ笑い』もかなりツボでしたよ。
こちらも意味不明な展開でなんですが、
何かの暗喩のような奥深さも感じられて
文学の香りがしました。

町田さんの短編、
やっぱり面白いです。
また読みたいです。

ありがとうございました!