「告白」河内十人斬り | 本の話がメインのつもり

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気まぐれに選んだ本を読みながら、何となく見つけたジャンクな菓子ばかり食べます。

告白 (中公文庫)/中央公論新社


ぐるぐる:001001001001 /5
長い:プップップップッ /5


町田康さんの
「告白」を読みました。


河内の百姓の子
城戸熊太郎は賭博にはまり、飲酒をし
百姓仕事を全くやらない
ろくでなしに成長してしまった。

思弁的で村の者たちとの
何気ない会話もままならず
暗い過去の過ちに苛まれる。



河内音頭のスタンダードナンバー
「河内十人斬り」を
モチーフにしたストーリーとのことです。
実際にあった大量殺人らしいですね。

しかし、その大量殺人までの
ストーリーがとっても長いんですよ。

主人公の城戸熊太郎が生まれてから
仕事もせずに、酒を飲み、博打をして、
たまに思いついたように
百姓仕事をしようとがんばり始めるが
すぐにまた、ダラダラになり……
妄想なんだか
よく分からない事件も起きたりします。

河内十人斬りは”モチーフ”というだけで
完全に町田ワールドですね。
舞台は明治なのに描写や単語が
現代風なのも斬新で面白かったです。

長ーいストーリーで描かれた
城戸熊太郎は
本当にどうしようもない人間なんですが、
妙に憎めないんですよねー。
最後はちょっと切ない気分でした。