- 夏天の虹―みをつくし料理帖 (角川春樹事務所 (時代小説文庫))/角川春樹事務所
泣ける: /5
波乱万丈: /5
高田郁さんの「夏天の虹」を
読みました。
『冬の雲雀』――滋味重湯
澪は想いびとと添う幸せよりも料理人として生きる幸せを
自らの心星として選んだ。そのことを小野寺数馬に伝えようと
化け物稲荷に足を運ぶ。
『忘れ貝』――牡蠣の宝船
つる屋が料理番付から外れてしまったり、商いを休んだりしたことで
途絶えていた客足が戻ってきた。澪は深川牡蠣を使った新しい看板料理を
考えようとするが、殻焼き好きの江戸っこたちを唸らせるものができない。
『一陽来復』――鯛の福探し
突然、澪は匂いがわからなくなってしまった。町医者の源斉も
治す方法がわからないという。味見もできない澪を吉原翁屋の又次が
手伝いに来てくれ、つる屋の雰囲気も明るくなったが――。
『夏天の虹』――哀し柚べし
ふた月の約束で手伝いに来てくれた又次が帰るときがやって来た。
澪は相変わらず匂いも味もわからない。それでも澪はひとりで
のりこえようと覚悟を決めた。
江戸の女料理人澪が
けな気にがんばる
みをつくし料理帖シリーズの7作品目です。
想いびととの人生と料理人として生きること、という
相反する二つの道に揺れ動いた6作品目、
とうとう心が決まった澪さんの
その後です。
何というか
またまた波乱万丈ですね。
このシリーズを読んで、
ひたすら
おいしそう、おいしそうと
喜んでいた頃がなつかしいです。
決して重過ぎるわけではないですが、
澪や他の登場人物たちの
境遇に心が乱れますね。
どうかみんな幸せになって欲しいなぁと
願わずにいられません。
あと、もっとおいしそうな料理話も
お願いします。
澪さん、どうなってしまうのか。
8作品目も気になります。