「ルー=ガルー」近未来感を堪能。 | 本の話がメインのつもり

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気まぐれに選んだ本を読みながら、何となく見つけたジャンクな菓子ばかり食べます。

ルー=ガルー ― 忌避すべき狼/京極 夏彦

カッコイイ:17171717 /5
考えさせられる:納得納得納得 /5


京極夏彦さんの「ルー=ガルー」を
読みました。


週に一度のコミニュケーション研修の後、
牧野葉月は神埜歩未と
無為に景色をながめるのが習慣になっていた。

モニタや端末があればリアルに人に
会う必要がない世の中。

ある研修後のこと、既に海外の
大学博士課程のカリキュラムに
取り組んでいる同い年の都築美緒が現れ
巷で起こっている連続殺人の話題になった。



通勤に持ち運びにくいので
未読だった本作品をようやく読了です。

京極作品の中では
めずらしい気がしますね。

近未来が舞台で
14、5歳の女の子たちが主役です。

モニタや端末で仕事も勉強も
買い物も家の中で何でもできちゃうという世界で
子どもたちは週に一度だけ
「リアル」に人に会ってコミニュケートする研修があるのです。

国民総ひきこもり社会……。

どことなくみんな冷めてます。

そんな中で、
何となく研修後は一緒にいるという葉月と歩未、
そして突如加わった破天荒な天才少女・美緒が
連続殺人に巻き込まれていきます。

舞台設定や
人と接することで登場人物が変化していく様子が
面白くて、そこまで長さを感じませんでした。

人と接しないで、他の動物も食べない、
そんな世界は生死感だとか、
小難しいことを考えさせられます。

肉が作りモノっていう設定は、
昔ちょっとだけ読んだ怖いマンガを思い出しました。


結末は予想範囲内で
あっさりしてましたが、
近未来感を堪能できましたよ。

特に最後の方の葉月と歩未が
高速道路をひたすら歩き続けるシーンが
印象的でした。

SF……なんですかね。
2作品目も読もうと思います。

ただ、通勤に持っていくと
指が大変に疲労します。


昔読んだ怖いマンガ(↓)
――肉が暴れます。
BM ネクタール 1 (少年チャンピオン・コミックス)/藤沢 勇希