「平成猿蟹合戦図」予想外だった最後 | 本の話がメインのつもり

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気まぐれに選んだ本を読みながら、何となく見つけたジャンクな菓子ばかり食べます。

平成猿蟹合戦図/吉田修一

予測できない:AAAA /5
笑:プップップッ /5


吉田修一さんの
「平成猿蟹合戦図」を読みました。


真島美月は
赤ん坊の瑛太を抱き、
歌舞伎町の店の
隙間に座り込んでいた。

ホストをしている夫の朋生を探して
九州からはるばるやってきたが、
すでに店をやめていたのだ。

韓国クラブのバーテンダー・浜本純平は、
途方に暮れていた美月に声をかけた。



タイトルから何らかの復讐劇かと
想像はしましたが、
全然ラストシーンが予測できない作品でした。

クラブのバーテンダー浜本純平と
その友人の朋生、美月、
有名チェリストの湊、その秘書の園、
一見関わりのなさそうな人々の間で
どんどん視点が変っていきますが、
最後は一つに収束していきます。

週刊誌の連載だったようで、
なるほど各章でそれぞれ面白い要素が
盛り込まれてはいますが、
全体を通しで読むと
ちょっと物足らなく感じちゃいましたね。

吉田作品が大好きなので、
ちょっと欲張りになっているのかも……です。

今まで読んでいた
ちょっと暗いイメージの
吉田作品とはちょっと違いました。

大好きな吉田作品「横道世乃介」の雰囲気に
近かったです。

クスッと笑えちゃうような
エピソードがあったりして、
この作風も好きです。