- 翼ある闇 メルカトル鮎最後の事件 (講談社文庫)/麻耶 雄嵩
常識をくつがえす：
/5
どんでん返し：
/5
麻耶雄嵩さんの
「翼ある闇」を読みました。
ブログのお友達・惠さんの影響で
手を出してみました。
探偵・木更津のもとに
依頼の手紙と脅迫状が
同時に舞い込んできた。
依頼主は巷で有名な今鏡家の今鏡伊都、
大衆の興味の的であった蒼鴉城という洋館への招待、
さらに奇妙な脅迫状が送られてきたことで
仕事の選り好みが激しい木更津も
強く興味を惹かれたようだった。
木更津は友人の香月とともに
蒼鴉城を訪れたが、待っていたのは
依頼主・伊都の首なし死体だった。
いろいろとすごい作品でした。
正直、序盤は読みにくかったです。
比喩とかの文章表現の相性が
悪い気がしちゃったりしました。
何のことやら、わからない箇所が多くて……。
途中から盛り上がってきますが、
本格推理モノを
装っていながら、事態は混迷し、
大変なところへ着地しちゃう感じです。
本格推理小説における
「探偵」に対する一般読者の思い込みを
あざ笑うかのような展開。
脳みそがグニャっとなりそうでした。
これはいい意味で問題作です。
しかし、苦手な人もいるだろうな、と
思ったり、思わなかったり……。
ブロ友の恵さんがお好きだという
麻耶作品の探偵・メルカトル鮎さんも
途中で姿を現しますが、
何だかわからないままにフェードアウトしてしまって
少し残念でした。
メルカトル鮎さんを堪能するには
「メルカトルと美袋のための殺人」（←リンクは恵さんのブログです）
と、いう作品がオススメだそうです。
次回読みます。
楽しみですね。
しかし麻耶作品、常識破りの
すごいものがいっぱいです……。