「鏡の偽乙女」続き早く……。 | 本の話がメインのつもり

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気まぐれに選んだ本を読みながら、何となく見つけたジャンクな菓子ばかり食べます。

鏡の偽乙女 ─薄紅雪華紋様─/朱川 湊人

不思議:あったか気分あったか気分あったか気分あったか気分 /5
続編切望:涙3涙3涙3涙3 /5

朱川湊さんの「鏡の偽乙女」を
読みました。


『墓場の傘』
 画家を志して家を飛び出した風波(ふうわ)は無縁坂で
 雪華(せつか)という妙な男に出会った。強く印象に残った雪華と
 再開し、もっと話がしたいと思い、彼の下宿先を聞いた。

『鏡の偽乙女』
 雪華の住む「蟋蟀館」へ越してきた風波だったが、その部屋には
 男の幽霊が住み着いていた。雪華はその人物の本質を描くことが
 できれば成仏させられると「鏡供養」の方法を教える。

『畸談みれいじゃ』
 雪華の友人の平河惣多の下宿を訪ねた風波たちは近所に住む
 少女おフウが2つの頭を持つ蟷螂を捕まえたのを見せてもらう。
 するとめずらしく雪華がその蟷螂に興味を持ち、部屋を飛び出した。 

『壺中の稲妻』
 実家から宇部さんがやってきて親戚が浅草から戻らないから
 連れ戻して欲しいと頼まれた。風波はすぐにその人を見つけることが
 できたが、どうやら阿片にやられているようだった。
 
『夜の夢こそまこと』
 やつれた惣多が食べ物と金を求めてやってきた。お礼なのか女奇術師
 松旭斎天勝の舞台に連れて行ってくれるという。勤めを始めた雪華と
 おフウも連れ立って出かけたが、女奇術師はニセモノだった。



朱川作品の「わくらばシリーズ」を
彷彿とさせる不思議な連作短編集でした。

かなり好みです。

わくらばシリーズに
似すぎている印象はありますが、
こういうの好きなので全然問題ないです。

舞台は大正3年の東京。

自称20歳の飄々とした不思議な青年・雪華と
妙に彼を気に入ってしまった画家志望の主人公・風波の
周りで起こる不思議で切ない事件の短編です。

風波が過去を振り返る形なので
もう初めから雪華との交流は短い間で、
今は彼がそばにいないことが
明かされているんです。

雪華が味のある登場人物で
風波の親愛の情も深いだけに
切なさも倍増です。

わくらばシリーズでは
美人の姉、姉妹間の愛情が描かれていましたが、
こちらはちょっとアレっぽいです。

雪華さんの方からは散歩に
誘ってくれないと若干気に病み、
雪華さんが部屋でどうやって寝ているのか
しきりと気にする風波さんが――、
ちょっとアレっぽいです。

それはさておき、
秘密がいっぱいありそうな雪華の
正体は明かされず。

これは早く続きがでないと
発狂しそうです……。

わくらばシリーズも早く……。