よかった!: /5
考えさせられた: /5
坂木司さんの
「動物園の鳥」を読みました。
ひきこもりの鳥井の部屋に
二人の老人が訪れた。
友人の栄三郎さんと
そのまた友人の安次郎さんだ。
安次郎さんは鳥井と坂木の二人に
職場の若い女の子・松谷さんのことで
相談があるようだった。
安次郎さんの勤める動物園では
たびたび虐待されたように傷ついた野良猫が
発見され、松谷さんは心を傷めているのだ。
「青空の卵」「仔羊の巣」に続く
ひきこもり探偵のシリーズの第三弾。
最終巻です。
よかったです。
過去のいじめや家庭環境の影響で
ひきこもりになってしまった鳥井と
彼の友人の坂木、
その周りに集まってきた友人たちの
あったかストーリーです。
坂木がいないと外出ができない
鳥井がどうなってしまうのか。
ラストは感動的でした。
1作品目では鳥井と坂木の
お互いへの依存がすごくて
うがった見方しかできませんでした。
しかし読み進むにつれ、
これはちょっと違うぞと、
ハマってきます。
時折人物の内面描写が
鋭過ぎて心に痛かったです。
今回登場した松谷さんという女の子。
とにかく「ぶりっこ」発言が
多い女の子なのですが、
めった切りでしたね。
最後はあたたかく納まるところは
さすが、ですけれど。
ひきこもり探偵と
その周りの人々が
一緒にゆっくり成長していく様子、
楽しませてもらいました。
おすすめシリーズです。